歴史の転換点における財政運営 (93 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20220525/zaiseia20220525.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 歴史の転換点における財政運営(5/25)《財務省》 |
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かい り
要と考える専門分野と高等教育機関が提供する専門分野に乖離(ミスマ
ッチ)が生じているとの指摘がある。一方で、データサイエンスや AI 分
野を担当できる教員は、特に小規模大学や私立大学においてかなり不足
しているとのアンケート結果もある。
〔資料Ⅱ-3-16 参照〕
こうしたミスマッチの解消に向け、大学が学部再編や大学再編を進め
るにあたり、従来の大学設置基準等が改革の足かせとなってはならない。
具体的には、大学設置基準等では、大学を設置するのに必要な最低基準と
して、施設・設備の標準設置経費、専任教員数、オンライン授業の上限単
位数などが定められている。これらについては、
・
現在の施設等の要件が果たしてデジタル時代に即したものになって
いるのか、
・ デジタル関係の学部について自然科学関係として大きな額の施設・設
備費が必要なのか、
・
オンライン授業が普及する中で基幹的な教員であれば複数の大学で
教員数にカウントすることを一定程度認めるべきではないか、
・
オンライン授業の上限単位数を緩和すべきではないか、
といった観点からの検討が必要である。〔資料Ⅱ-3-17 参照〕
② 学部再編等を進める場合の支援の在り方
①で述べたような経済社会の持続的な成長に向けたニーズと高等教育
とのミスマッチを解消するため、学部再編等を強力に推進するというの
であれば、進学率が上昇したとしても 18 歳人口の減少が見込まれるため、
大学入学者数は減少する見込みとなることは、前提として忘れてはなら
ない。仮に学部を再編する大学に上乗せ支援のみを実施しては、大学入学
者数が減少する中で入学定員が増加し、定員割れ・経営困難校が増加する
おそれすらある。定員未充足の大学など改革に積極的でない大学から、学
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本建議では、主に高校卒業後に学部に進学する者の教育を念頭において議論しているが、経済
社会の持続的な成長に向けたニーズと高等教育のミスマッチ解消のためには、リカレント教育
の役割も大きいことは言うまでもなく、国立大学運営費交付金や私学助成の配分基準の中でリ
カレント教育に関する取組を考慮し支援をしていくことが重要。
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