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歴史の転換点における財政運営 (23 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20220525/zaiseia20220525.html
出典情報 財政制度等審議会 歴史の転換点における財政運営(5/25)《財務省》
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制改革や新たなルールづくりのほうが効果的な場合もあると考えられ、
デジタル技術の進展を見据えた規制の見直しを着実に進めるなど、政策
を総動員して改革をスピードアップさせていく必要がある。また、データ
連携基盤の整備やマイナンバーの更なる利活用等を通じ、地方公共団体
等も含め、行政サービスについても効率化を図っていく必要がある。
(3)規模ありきの議論からの脱却
特にここ数年、補正予算・経済対策のたびに「最低○十兆円」
「デフレ
ギャップ○十兆円を埋めるべき」といった予算規模ありきの議論が繰り
返されている。振り返れば、バブル崩壊以降の経済対策は、策定過程にお
いて規模が大きいほど効果が大きいとの考え方が強調され、持続可能な
財政運営や、支出の内容と具体的な効果への視点が後回しになる傾向が
見られた。こうした財政支出を続けた結果、我が国は主要先進国の中で過
去 30 年間平均のプライマリーバランス赤字対 GDP 比は最大となってい
る。
しかし、
「デフレギャップを埋めるべき」という考え方については、供
給と需要の差を埋めるための支出を続ければ、本来、企業によって新たに
取り組まれるべき様々な課題の解決や創意工夫に向かうべき人材や経営
資源を、従来の取組にとどめおいてしまい、逆効果となりかねない。これ
を毎年続けていては、我が国の成長力は高まらず、厳しい国際競争に勝ち
抜く実力をつけることができなくなる。財政支出の規模だけ大きくして
も、経済成長率は高まらない。実際、過去 30 年間の実質 GDP の伸びは
主要先進国の中で最低である。その間に財政赤字は増大し、日本国債の格
付けは下落を続け、いまや他の主要先進国や韓国よりも低ランクに位置
づけられている。〔資料Ⅰ-2-21、資料Ⅰ-3-6参照〕
我が国が持続的な経済成長を実現するため、財政政策において必要な
のは、経済成長に向けて企業や個人の行動変容を促す効果の高い政策に、
スクラップアンドビルドにより優先的に資金を回していく工夫である。
予算を決定し執行するに先立って、定量的な成果目標を公表し、定期的に
結果を検証して、必要があれば執行内容も見直していくという取組が求
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