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歴史の転換点における財政運営 (19 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20220525/zaiseia20220525.html
出典情報 財政制度等審議会 歴史の転換点における財政運営(5/25)《財務省》
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(内閣府)において、力強い成長が実現し、骨太方針に基づく取組17を継
続した場合には、国と地方を合わせたプライマリーバランスは 2025 年度
に黒字化する姿が示される結果となり、政府は現時点で財政健全化の目
標年度の変更が求められる状況にはないことを確認した。引き続き現在
の財政健全化目標18を堅持し、まずはプライマリーバランスを黒字化する
ことにより、公債等残高対 GDP 比が発散しない、持続可能な財政構造の
確立を目指していくべきである。〔資料Ⅰ-2-11~15 参照〕
プライマリーバランス目標については国内で様々な議論があるが、財
政収支に比べて利払費が含まれない点で緩く、2025 年度に向けた目標で
あって毎年の収支を拘束するわけではない点において柔軟な目標となっ
ていることは改めて認識すべきである。その上で、今後、貿易赤字が定着
するおそれがあり、経常収支の構造や見通しが、これまでとは大きく異な
っていく可能性があることから、財政や邦貨である円に対する市場から
の信認がこれまで以上に問われている。その中で、仮にプライマリーバラ
ンス目標を後退させれば信認を失うリスクが大きいと言わざるを得ない。
プライマリーバランスが赤字でも、名目成長率が名目金利を上回って
いれば、債務残高対 GDP 比は低下していくという主張もある。しかし、
世界的な物価・金利の局面変化の中においては、成長率が金利を上回ると
いう近年の関係が継続することを前提に置いて財政政策を行っていくこ
とは、債務残高対 GDP 比が上昇し続ける結果となるリスクを大きくする

「経済財政運営と改革の基本方針 2021」(以下「骨太 2021」という。)(令和3年(2021 年)
6月 18 日閣議決定)に以下の記載がなされている。
「2022 年度から 2024 年度までの3年間について、これまでと同様の歳出改革努力を継続す
ることとし、以下の目安に沿った予算編成を行う。
① 社会保障関係費については、基盤強化期間においてその実質的な増加を高齢化による増
加分に相当する伸びにおさめることを目指す方針とされていること、経済・物価動向等を
踏まえ、その方針を継続する。
② 一般歳出のうち非社会保障関係費については、経済・物価動向等を踏まえつつ、これま
での歳出改革の取組を継続する。
③ 地方の歳出水準については、国の一般歳出の取組と基調を合わせつつ、交付団体を始め
地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源の総額について、2021 年度地方財政計画の
水準を下回らないよう実質的に同水準を確保する。

18 骨太 2021 においては、
「財政健全化目標(2025 年度の国・地方を合わせた PB 黒字化を目指
す、同時に債務残高対 GDP 比の安定的な引下げを目指す)を堅持する。」とされている。
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