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歴史の転換点における財政運営 (87 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20220525/zaiseia20220525.html
出典情報 財政制度等審議会 歴史の転換点における財政運営(5/25)《財務省》
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3.文教・科学技術
我が国の経済社会の持続的な成長に必要な生産性や潜在成長力の向上
に向けて、人的資本の高度化やイノベーション力の向上をもたらす文教・
科学技術は重要な分野である。こうした中、教育や研究の質の向上が望ま
れるが、それを図る上で構造的課題を解決することがまず不可欠である。
すなわち、教員の働き方改革を進めなければ教育の質を高めることはで
きず、研究活動の国際性や人材流動性を高めなければ研究開発の質を高
めることはできない、ということである。
我が国の人口が減少し、特に未成年の人口が大きく減少していく中、民
間経済を支えるための人材確保の必要性に鑑みれば、限られた人的リソ
ースの質の向上を考えていく必要がある。また、我が国の財政事情が極め
て厳しく、先進諸国に比べて国民負担率が低い中でも、子供一人当たりの
公財政教育支出は対国民一人当たり GDP 比で見ると OECD 諸国と遜色
がない水準となっている73。今よりも少ない人数で日本の経済社会を支え
ねばならない子供達や若者に更に負担を付け回すことは厳に慎まねばな
らず、限られた財政資金を有効に活用することが重要である。
〔資料Ⅱ-
3-1、2参照〕
こうした人的リソース、財政資金の質の向上という観点から、本建議で
は、教員が授業等に注力できる環境を整備するための教員の働き方改革
を通じた教育の質の向上、我が国の経済社会のニーズと高等教育のミス
マッチを解消するための規制改革や補助金のメリハリ付け、研究活動の
国際性・人材流動性の向上や民間資金の最大限の活用等の、構造的課題の
解決に資するような見直しを具体的に提言している。
昨年 12 月の当審議会の建議における提言は令和4年度予算や制度の
見直しに反映された。引き続き、本建議での提言も具体化され、関係者の
自律的な行動につながることを期待する。
また、コロナ禍における経済対策として、令和2年度(2020 年度)に

73

OECD 諸国を見ると、租税負担が大きい国ほど公財政教育支出が大きい傾向にあるが、日本
は租税負担が相対的に低い(OECD38 か国中第 31 位)ことにも留意が必要。
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