は三次にわたる補正予算が措置されたところである。このうち、文化庁が
行った、コロナ禍を乗り越えるための文化芸術活動の充実支援事業
（ARTS for the future!）や、子供文化芸術活動支援事業（劇場・音楽堂
等の子供鑑賞体験支援事業）について、その採択実績を見てみると、本来
の事業趣旨に沿わない事業者が採択されている事例や、支援額が過大と
なっている事例も見られた。
このため、令和３年度補正予算においては、両事業について、申請要件
の厳格化や補助上限・補助率の引下げ等の適正化が行われた。
〔資料Ⅱ－
３－３、４参照〕
今後、新型コロナ関連予算の検証や見直しを行うに当たっては、事業趣
旨に照らした適切な支援内容となっていたか、支援の結果として、事業趣
旨に沿った成果が達成されたのかどうかを定量的に検証していくべきで
ある。
（１）義務教育
① 教員の勤務実態と学校の働き方改革について
教職員定数については、平成元年度以降、児童生徒数は1,494万人か
ら921万人に、教職員定数は76万人から69万人にそれぞれ減少した。す
なわち、児童生徒数の減少ほど教職員定数は減少しておらず74、その結
果、全国平均の教員一人当たりの児童生徒数も以前と比べ少なくなって
いる75。〔資料Ⅱ－３－５参照〕
しかしながら、平成28年度教員勤務実態調査によれば、日本の小中学
校教員の勤務時間は授業以外の時間が多くを占めており、平成30年
（2018年）の国際比較調査においても同様の傾向であった。

74

児童生徒一人当たりの教職員数を平成元年度（1989 年度）と同じ割合とした場合の教職員数
（約 47 万人）と比べれば約 20 万人の増であり、特別支援学校・学級に通う児童生徒数の増加
による教職員定数の増 8 万人（文部科学省調）を考慮しても、実質的には教職員数は増加して
いる。
75 教員一人当たりの児童生徒数は、G5 の平均は小学校 17.0 人、中学校 14.3 人に対して、日本
は小学校 15.9 人、中学校 12.9 人。
（OECD「Education at a Glance 2021」等）
-76-