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資料2:臨床研究中核病院業務報告内容確認表 (27 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_42147.html
出典情報 厚生科学審議会 臨床研究部会(第35回 8/8)《厚生労働省》
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(様式第7)

登録 ID 等

**

治験・臨床研究名

(指針研究)

**

不適正事案の概要:
2022 年 6 月 7 日に学会発表の事前届出(当院で学会・論文発表時に倫理審査などが適切に実施さ
れているかを確認するために独自に実施している事前チェック)があり、倫理審査を受けた研究課題
は放射線治療科にて実施中の単施設内診療情報調査研究(**)と記載されている一方、学会抄録
には企業との共同研究であるとの記載があった(国立がん研究センターの運用により、マスタープロ
トコールは単一診療科内での研究に限定される)。当該事前届出の事務局より、倫理審査委員会へ問
い合わせを行い、本研究内容がマスタープロトコールの範囲外であることが発覚した。
研究者は、研究内容が「過去に陽子線治療を行なった患者の CT 画像を用いて、異なる照射方向か
ら治療を行なった場合の線量分布の変化をシミュレーションする」という後向き調査であることか
ら、研究者は前述のマスタープロトコールの範囲内で実施可能であると解釈し、新たな倫理審査申請
をしないまま研究を行なっていた。
また、当該企業(陽子線治療を研究・製造する医療機器ベンチャー)とは、過去に国立がん研究セ
ンターと共同で AMED 研究費(AMED 研究の主任研究者は企業)を取得していたが、1 年目の評価で打
ち切りとなり共同研究契約は終了していた。当該企業より、6/1 に研究内容を学会にて発表したいと
の申し出があり、上記の院内の事前届出に資料を提出すると共に、企業側が学会への演題登録を実施
していたが、演題登録は速やかに取り下げられた。
不適正事案に関する対応状況:
研究責任者は倫理審査委員会に不適合報告書にて本事案を報告(2022 年 7 月 6 日 同日をもって研
究機関の長への報告日)し、2022 年 7 月 21 日に以下の付帯条件及び勧告の下承認された。
・ 研究の立案・開始前における研究許可申請の必要性に関する診療科内での相談・確認の徹底
・ 単施設内診療情報調査(マスタープロトコール)の範囲・運用に関する診療科内での理解・周知
の徹底
・ 共同研究機関の研究許可申請の必要性に関する企業側・診療科内での理解・周知の徹底
また、「本報告事案は、研究許可前に研究に着手している点から、不適切の程度は重大であるが、研
究対象者への著しい不利益は認められないため、厚生労働大臣への報告は不要と判断する。」と判断
されている。
7 月 14 日に臨床研究適正実施推進部会の部会員(臨床研究支援部門長、研究企画室長及び研究監
査室長)が当該研究責任者に不適合の内容、原因及び当該実施診療科としての再発防止策に関してイ
ンタビューを行い、病院長及び副院長(研究担当)にその結果を報告した。
本事例の原因としては、研究者がマスタープロトコールが単施設・単科での運用であることを熟知
していなかったことと、企業・研究者間でのコミュニケーションの不足があったことが原因と考えら
れた。
本事案はその後、臨床研究適正実施推進部会(8月9日)、臨床研究管理委員会(8月17日)にて審
議され、マスタープロトコールの取扱いについて研究者に周知をするよう2022年8月の臨床研究管理
委員会で指示があり、2022年9月13日に柏キャンパス一斉メールを配信した。また2022年9月の臨床
研究適正実施推進部会にて、当該メールでの周知の他に、他の案件と併せてe-learningを実施する
ことが決定された。
是正措置:
マスタープロトコールの取扱いについて、研究者に周知する e-learning を実施した。
なお、本 e-learning と自主点検の結果、本事案とは直接関連の無い臨床研究でマスタープロトコ

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