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【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版) (12 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00402.html |
出典情報 | 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版)(10/20)《厚生労働省》 |
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き
別冊
罹患後症状のマネジメント・第 3.0 版 ●1 罹患後症状
【罹患後症状と COVID-19 ワクチン接種に関する研究】
自治体の住民を対象とし,アンケートと COVID-19 ワクチン接種情報(VRS)を使用した
研究(厚生労働行政推進調査事業門田班報告)によると,2021 年 3 月〜 2022 年 4 月(第 4 〜
6 波)の感染者 4,278 人とマッチングした非感染者 3,382 人を対象とした大阪府八尾市の調
査では,ワクチン未接種者と比較して 2 回以上接種した人において罹患後症状の調整オッズ比
(aOR)が 0.5(95%CI 0.4-0.5)と有意に低かった.同調査の 5 ~ 17 歳の小児(感染者 1,800
人,非感染者 1,341 人)においても,未接種児と比較して 2 回接種した児で aOR が 0.5(95%CI
0.3-0.9)と有意に低かった.
また,オミクロン流行期である 2022 年 7 〜 8 月(第 7 波)の感染者 8,880 人とマッチン
グした非感染者 6,318 人を対象とした東京都品川区の調査では,未接種者と比較して,3 回以
上接種者における罹患後症状の aOR は 0.8(0.6-0.9)と有意に低かった.
ただし,この研究は,ワクチンと罹患後症状の関係について検討することを目的とした研究
ではないため,最終のワクチン接種からの経過時間や,ワクチン接種者と非接種者の受療行動
の違い等のワクチン接種に関する因子は調整されていない.
3.今後の課題
罹患後症状の報告は世界的にも増えているが,確定診断の有無,感染者の年齢・重症度,専
門外来受診患者・自宅/宿泊施設療養患者・入院患者等の研究対象集団の設定の違いにより大
きく調査結果が異なる可能性があることに留意する必要がある.
これらの罹患後症状は時間の経過とともにその多くは改善する傾向にあるが,残存した罹患
後症状がさらに長期の経過でどのように推移するか,感染した変異株による違いがどの程度あ
るのか,罹患後症状のリスク因子は何なのかなど,
現時点では明らかになっていないことも多く,
今後更なる知見集積が待たれる.
個々の症状への現段階での対処法に関しては,各章を参照されたい.
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別冊
罹患後症状のマネジメント・第 3.0 版 ●1 罹患後症状
【罹患後症状と COVID-19 ワクチン接種に関する研究】
自治体の住民を対象とし,アンケートと COVID-19 ワクチン接種情報(VRS)を使用した
研究(厚生労働行政推進調査事業門田班報告)によると,2021 年 3 月〜 2022 年 4 月(第 4 〜
6 波)の感染者 4,278 人とマッチングした非感染者 3,382 人を対象とした大阪府八尾市の調
査では,ワクチン未接種者と比較して 2 回以上接種した人において罹患後症状の調整オッズ比
(aOR)が 0.5(95%CI 0.4-0.5)と有意に低かった.同調査の 5 ~ 17 歳の小児(感染者 1,800
人,非感染者 1,341 人)においても,未接種児と比較して 2 回接種した児で aOR が 0.5(95%CI
0.3-0.9)と有意に低かった.
また,オミクロン流行期である 2022 年 7 〜 8 月(第 7 波)の感染者 8,880 人とマッチン
グした非感染者 6,318 人を対象とした東京都品川区の調査では,未接種者と比較して,3 回以
上接種者における罹患後症状の aOR は 0.8(0.6-0.9)と有意に低かった.
ただし,この研究は,ワクチンと罹患後症状の関係について検討することを目的とした研究
ではないため,最終のワクチン接種からの経過時間や,ワクチン接種者と非接種者の受療行動
の違い等のワクチン接種に関する因子は調整されていない.
3.今後の課題
罹患後症状の報告は世界的にも増えているが,確定診断の有無,感染者の年齢・重症度,専
門外来受診患者・自宅/宿泊施設療養患者・入院患者等の研究対象集団の設定の違いにより大
きく調査結果が異なる可能性があることに留意する必要がある.
これらの罹患後症状は時間の経過とともにその多くは改善する傾向にあるが,残存した罹患
後症状がさらに長期の経過でどのように推移するか,感染した変異株による違いがどの程度あ
るのか,罹患後症状のリスク因子は何なのかなど,
現時点では明らかになっていないことも多く,
今後更なる知見集積が待たれる.
個々の症状への現段階での対処法に関しては,各章を参照されたい.
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