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【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版) (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00402.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版)(10/20)《厚生労働省》
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第 1.0 版

はじめに

( 2022 年 4 月 28 日発行)

『新型コロナウイルス感染症 診療の手引き』の別冊『罹患後症状のマネジメント』を暫定版として作成公表したのは,令和

3(2021)年 12 月 1 日でした.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,急性期の症状だけではなく,罹患後症状(い
わゆる “ 後遺症 ”)に対する対応を早く行うために,それぞれの分野で経験と見識のある専門家の方々にお集まりいただき,そ
のときにわかっている知見等をまとめたものが暫定版でした.その後,医学的・科学的知見や医療現場での経験や見識も重ね
られてきたため,今回改訂を行い,暫定版から第 1 版として公表することになりました.

第 1 版では,神経症状と精神症状はそれぞれ別の章とし,また,皮膚症状の章を新たに立て,各章に共有の小項目の見出し

をつくりました.知見が集積される中,出来るだけその根拠となる文献も多く引用することとしましたが,査読前の論文や第
一報の論文の引用は少し慎重にしました.COVID-19 は発生から 2 年以上を経たとはいえ,いまだ固定したウイルス・疾患で
はなく,流動的な部分が多々ある中,全てに evidence based を担保して記載することはできず,経験や見識を含む expert
opinion も含まれていますが,『診療の手引き』と同様に,今後も随時新たな知見等を取り入れ,改訂を継続する予定です.

現時点で,COVID-19 患者の診療や相談にあたるかかりつけ医等やその他医療従事者,行政機関の方々にご活用いただき,

罹患後症状に不安をもち悩む患者の方々の予後の改善に役立てば幸甚です.

暫定版

編集委員会を代表して 岡部 信彦

はじめに

( 2021 年 12 月 1 日発行)

令和 3(2021)年 12 月現在,私たちは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(地球規模での流行)の真っ
ただ中にいます.幸い国内では急峻な感染者の増加となった,いわゆる第 5 波が急速に減少し,医療機関・保健所等は少し息
をつき,一般生活も徐々に制限の解除・緩和が進み始めていますが,世界ではワクチン接種が進んだにもかかわらず,大きな
リバウンドが生じている国も多数あり,予断は許されない状況です.

感染者数が減少する一方,感染性が消失し主な症状は回復したにもかかわらず “ 後遺症 ” と呼ばれるような症状,あるいは

新たな,または再び生じて持続する症状などに悩む患者が少なからずみられるようになりました.このような情報は “ 軽症に

見えても感染に注意が必要 ” という COVID-19 の感染に対する注意喚起になる一方で,実際に “ 後遺症 ” が現れた患者にとっ

ては,日常生活や仕事・学業などの支障が出てくることもあります.このような症状は 3 カ月ほどで約 2/3 は回復をしますが,
不安が募るとさらに持続・悪化することがあります.これらに悩み不安を抱える患者に対する診療とケアの手順は国内では標
準化されていないため,医療者側も悩み「気のせい」と患者に伝えたり,「自分のところでは診られない」と診療を拒んでしま

う,あるいは患者自身が医療機関を求めて転々とするということが生じてしまい,その結果さらに悪い方向に進んでしまうこ
とが心配されるようになりました.

そこから,回復後の経過を診ているかかりつけ医等が,自身でそれらの症状に悩む患者に対して,どこまでどのようにアプロー
チ・フォローアップをすればよいのか,どのタイミングで専門医の受診を勧めるのか,などについて,標準的な診療とケアに
ついてまとめようという声が高まり,それぞれの分野で経験のある専門家に集まっていただき,議論を重ね,『新型コロナウイ

ルス感染症:診療の手引き』の別冊として発刊することになりました.専門家の手によらなくとも簡単に効果的に指導できる
リハビリテーションや職場などへの復帰支援について産業医学的なアプローチも加えて,このたび現在得られている知見をと
りまとめました.

この手引きは,専門的な各論に踏み込むものではなく,各論に進む前の段階として,COVID-19 患者の診療にあたる多くの

かかりつけ医等やその他医療従事者,および行政機関の方々などにご活用いただき,患者の予後の改善に役立てば幸甚です.

なお,WHO では,このような症状を ”post COVID-19 condition” と称しており,本手引きでは,COVID-19 罹患後症状(い

わゆる “ 後遺症 ” あるいは “ 遷延症状 ”)と呼称することとしました.また COVID-19 そのものもかなり理解が進んできたものの,
いまだ不明,または新たな疑問として生じてくる点もあり,『診療の手引き』同様に,今後も必要に応じて速やかに新たな知見
を取り入れて改訂を継続していきます.

改訂 2.0 版

編集委員会を代表して 岡部 信彦

はじめに

( 2022 年 10 月 17 日発行)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は発生から 3 年近く経たとはいえ,罹患後症状については,いまだその原因やメ

カニズムなどについて不明の点が多々ありますが,今般,最近の調査研究の結果などの新たな知見や,医療者が使いやすいよ
うに症状・キーワードによる索引を加え改訂しました.

罹患後症状は,いまだ固定した疾患概念とはなっておらず,流動的な部分が多々ありますが,かかりつけ医等や地域の医療
機関で対応できることも少なくありません.しかし,医療者側も対応に悩み「気のせい」と患者に伝えたり,「自分のところで

は診られない」と診療を拒んだり,あるいは患者自身が医療機関を求めて転々とすることが,少なからず生じているようです.
また,鑑別診断では,COVID-19 罹患とは関係がないものであったということも,少なからずあるようです.それだけに,患
者さんの訴えに耳を傾け,寄り添ってフォローをしていくことは重要です.

現在,罹患後症状に悩む患者の診療や相談にあたる,かかりつけ医等やその他医療従事者,行政機関の方々に,この「診療

の手引き」をご活用いただき,罹患後症状に悩む患者さんの症状の改善に役立てば幸甚です.

2022 年 10 月 編集委員会を代表して 岡部 信彦