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【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版) (82 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00402.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版)(10/20)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き

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別冊

罹患後症状のマネジメント・第 3.0 版 ● 14 症例集

罹患後に仕事のミスが増え,集中力の低下がみられた 30 代男性の症例


頭がまわらない,集中できない,不安になる,覚えられない,仕事でミスを

してしまう,体がだるい
生活歴

元々,勤務態度は問題なかった

既往歴や合併症
現病歴

特になし

COVID-19 に感染し,発熱,呼吸器症状があり,自宅療養した.当初より,

集中力の低下はあったが,そのうち改善するのではないかと考えていた.

しかし,集中力の低下は継続し,会社に復帰して 1 カ月後,上司や同僚からの話や指

示が頭に入らなくなった.今まで仕事は効率よく行っていて,上司からの評価は高かった

が,ミスが目立ち,会議後も何をしたら良いかわからず,混乱する事があった.この結果,
自分の体調不良を責め,抑うつ状態になり,会社に行くことが辛くなった.また不眠も出

現した.3 カ月後,近隣のクリニックで若年性認知症と診断されたために,家族が心配し,
精神科病院をセカンドオピニオンで受診した.血液検査,頭部 MRI,心理検査を施行した.
明らかな診断がつくような身体疾患はなく,うつ病と診断され抗うつ薬が処方された.ま

た疲労感・倦怠感に対して,漢方薬の処方を希望された.徐々に症状は改善し,6 カ月目
には,以前の状態に近い状態に回復した.前医で認知症と言われたことはショックであっ
たが,受容的,共感的に対応してもらえたことに感謝を述べることがあった.現在は,数
カ月に 1 回定期的に受診し,頭部 MRI の再評価や,フォローアップを継続している.
症例のポイント

COVID-19 罹患後に,仕事でのミスが増え,集中力の低下,次第に

抑うつ気分,不眠,疲労感・倦怠感なども出現し,近医で若年性認知症の診断を受けたが,
セカンドオピニオンで受診した 30 代の症例.定期的な受診を促し,さまざまな症状に対
して受容的な態度で接しながら,不安になる家族とともに罹患後症状への理解を促し,抗

うつ薬の調整を行ったところ,6 カ月で緩徐な改善を認めた.本人の希望を聞き入れ,漢
方薬処方を併用したことも効果的であった印象がある.

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