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【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版) (64 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00402.html |
出典情報 | 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版)(10/20)《厚生労働省》 |
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き
別冊
罹患後症状のマネジメント・第 3.0 版 ● 11 罹患後症状に対するリハビリテーション
罹患後症状に対するリハビリテーションアプローチに関する報告はまだ少数にとどまってい
るが,2022 年 9 月に WHO より公表された『COVID-19 の臨床管理のためのガイドライン・
最新版(第 5 版)』からは,罹患後症状に対するリハビリテーションの項が新たに追加され,
関連する疾患におけるエビデンスやエキスパートオピニオンに基づいて,呼吸障害や疲労感・
倦怠感をはじめとする様々な症状別に推奨されるリハビリテーションアプローチが紹介されて
いる.たとえば,呼吸障害に対しての呼吸法や運動療法,疲労感・倦怠感や労作後の症状悪化
に対するペーシング(活動量の調整),心理的サポートや補助具の利用,認知機能障害に対する
自己管理手法の教育や認知機能トレーニングなどがあげられている.ただし,COVID-19 患者
における直接のエビデンスが乏しいことから,多くが条件付き推奨となっている.
3.症状へのアプローチ
図 11-1 診療のフローチャート
運動耐容能の低下
呼吸機能低下
疲労感・倦怠感
筋力低下
運動後酸素化低下,心不全症状などリスク因子の存在
あり
なし
なし
労作後の症状悪化
あり
リスク評価
必要に応じて専門施設へ
なし
呼吸練習
(腹式呼吸など)
筋力増強練習
有酸素運動
日常の活動量の調整
環境調整
(補装具,福祉用具など)
症状に合わせた運動療法
運動療法の中止
日常の活動量の調整
環境調整(補装具,福祉用具など)
必要に応じて専門施設へ
日常の活動量の調整
環境調整(補装具,福祉用具など)
リスク管理下でのリハビリテーション
[症状に応じて呼吸器,循環器,リハ
ビリテーション専門医・専門職など
との連携]
4.フォローアップすべき所見・症状
罹患後症状に対するリハビリテーションの実施については,WHO のガイドラインにおいて,
まず労作後の酸素化の低下,心機能障害の有無を検討することが推奨されている.これらのリ
スク要因を認める場合には,専門家と連携し,介入を実施するタイミングやその量について注
意深い調整が必要である.
また,労作後の症状悪化がみられる頻度が高いことについても注意が必要である.労作後の
症状悪化は典型的には労作後 12 ~ 48 時間後までに起こる罹患後症状の増悪で,これがみら
れる場合には運動療法の実施は避け,日々の活動量の調整や支援機器の利用などの環境の調整
により負荷を減らすとともに,活動の優先順位をつける,トリガーとなる活動を避ける,十分
な休息をとる,といった自己管理方法の策定・指導を行うことが推奨されている.
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別冊
罹患後症状のマネジメント・第 3.0 版 ● 11 罹患後症状に対するリハビリテーション
罹患後症状に対するリハビリテーションアプローチに関する報告はまだ少数にとどまってい
るが,2022 年 9 月に WHO より公表された『COVID-19 の臨床管理のためのガイドライン・
最新版(第 5 版)』からは,罹患後症状に対するリハビリテーションの項が新たに追加され,
関連する疾患におけるエビデンスやエキスパートオピニオンに基づいて,呼吸障害や疲労感・
倦怠感をはじめとする様々な症状別に推奨されるリハビリテーションアプローチが紹介されて
いる.たとえば,呼吸障害に対しての呼吸法や運動療法,疲労感・倦怠感や労作後の症状悪化
に対するペーシング(活動量の調整),心理的サポートや補助具の利用,認知機能障害に対する
自己管理手法の教育や認知機能トレーニングなどがあげられている.ただし,COVID-19 患者
における直接のエビデンスが乏しいことから,多くが条件付き推奨となっている.
3.症状へのアプローチ
図 11-1 診療のフローチャート
運動耐容能の低下
呼吸機能低下
疲労感・倦怠感
筋力低下
運動後酸素化低下,心不全症状などリスク因子の存在
あり
なし
なし
労作後の症状悪化
あり
リスク評価
必要に応じて専門施設へ
なし
呼吸練習
(腹式呼吸など)
筋力増強練習
有酸素運動
日常の活動量の調整
環境調整
(補装具,福祉用具など)
症状に合わせた運動療法
運動療法の中止
日常の活動量の調整
環境調整(補装具,福祉用具など)
必要に応じて専門施設へ
日常の活動量の調整
環境調整(補装具,福祉用具など)
リスク管理下でのリハビリテーション
[症状に応じて呼吸器,循環器,リハ
ビリテーション専門医・専門職など
との連携]
4.フォローアップすべき所見・症状
罹患後症状に対するリハビリテーションの実施については,WHO のガイドラインにおいて,
まず労作後の酸素化の低下,心機能障害の有無を検討することが推奨されている.これらのリ
スク要因を認める場合には,専門家と連携し,介入を実施するタイミングやその量について注
意深い調整が必要である.
また,労作後の症状悪化がみられる頻度が高いことについても注意が必要である.労作後の
症状悪化は典型的には労作後 12 ~ 48 時間後までに起こる罹患後症状の増悪で,これがみら
れる場合には運動療法の実施は避け,日々の活動量の調整や支援機器の利用などの環境の調整
により負荷を減らすとともに,活動の優先順位をつける,トリガーとなる活動を避ける,十分
な休息をとる,といった自己管理方法の策定・指導を行うことが推奨されている.
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