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【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版) (79 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00402.html |
出典情報 | 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版)(10/20)《厚生労働省》 |
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き
3
主
別冊
罹患後症状のマネジメント・第 3.0 版 ● 14 症例集
全身倦怠感の主訴から慢性心筋炎と診断された 20 代男性の症例
訴
生活歴
全身倦怠感
喫煙なし
既往歴や合併症
特記すべき事項なし
現病歴
〈急性期の経過〉
COVID-19 の確定診断も,軽症であり,呼吸管理や投薬なしで 10 日間の入院により
合併症なく退院となった.
〈急性期回復後の経過〉
発症 1 カ月後より,発熱や呼吸困難感は認めないものの,これまでにはない全身倦怠感・
胸痛・動悸を徐々に感じるようになり,改善しないため発症3カ月後に循環器内科外来
受診.問診で運動耐容能の低下を認め,胸部 X 線写真で心胸郭比が COVID-19 罹患前の
42% から 51% へ上昇し,心臓超音波検査で左室駆出率も COVID-19 罹患初期の 68%
から 52% に低下していた.血液検査で BNP 値は 81 pg/mL であった.心臓 MRI では
左室の心筋障害を示唆する所見を認め,心筋生検で心筋に炎症細胞浸潤の所見を認めた.
症例のポイント
循環器系基礎疾患がない 20 代男性が罹患 1 カ月で全身倦怠感・動悸・胸痛を生じ,
循環器内科での検査により慢性心筋炎と診断された.基礎疾患がなくても,COVID-19
急性期回復後にこれまでにはない胸部症状や全身倦怠感・動悸など循環器病を示唆する症
状がある場合には,慢性心筋炎などの循環器疾患が合併している可能性を考える必要があ
る.
〈経過表〉
COVID-19 罹患
罹患前
罹患直後
1カ月
3 カ月
あり
あり
動悸
あり
あり
胸痛
あり
あり
全身倦怠感
呼吸困難
胸部 X 線の心胸郭比(%) 42
あり
44
BNP 値(pg/mL)
心エコー図の左室駆出率(%)
51
81
68
78
52
3
主
別冊
罹患後症状のマネジメント・第 3.0 版 ● 14 症例集
全身倦怠感の主訴から慢性心筋炎と診断された 20 代男性の症例
訴
生活歴
全身倦怠感
喫煙なし
既往歴や合併症
特記すべき事項なし
現病歴
〈急性期の経過〉
COVID-19 の確定診断も,軽症であり,呼吸管理や投薬なしで 10 日間の入院により
合併症なく退院となった.
〈急性期回復後の経過〉
発症 1 カ月後より,発熱や呼吸困難感は認めないものの,これまでにはない全身倦怠感・
胸痛・動悸を徐々に感じるようになり,改善しないため発症3カ月後に循環器内科外来
受診.問診で運動耐容能の低下を認め,胸部 X 線写真で心胸郭比が COVID-19 罹患前の
42% から 51% へ上昇し,心臓超音波検査で左室駆出率も COVID-19 罹患初期の 68%
から 52% に低下していた.血液検査で BNP 値は 81 pg/mL であった.心臓 MRI では
左室の心筋障害を示唆する所見を認め,心筋生検で心筋に炎症細胞浸潤の所見を認めた.
症例のポイント
循環器系基礎疾患がない 20 代男性が罹患 1 カ月で全身倦怠感・動悸・胸痛を生じ,
循環器内科での検査により慢性心筋炎と診断された.基礎疾患がなくても,COVID-19
急性期回復後にこれまでにはない胸部症状や全身倦怠感・動悸など循環器病を示唆する症
状がある場合には,慢性心筋炎などの循環器疾患が合併している可能性を考える必要があ
る.
〈経過表〉
COVID-19 罹患
罹患前
罹患直後
1カ月
3 カ月
あり
あり
動悸
あり
あり
胸痛
あり
あり
全身倦怠感
呼吸困難
胸部 X 線の心胸郭比(%) 42
あり
44
BNP 値(pg/mL)
心エコー図の左室駆出率(%)
51
81
68
78
52