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【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版) (78 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00402.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版)(10/20)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き

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罹患後症状のマネジメント・第 3.0 版 ● 14 症例集

COVID-19 罹患後に遷延性の肺障害を認めた 60 代男性の症例


生活歴

労作時呼吸困難感

喫煙 20 本 ×40 年

既往歴や合併症


別冊



COPD(薬物治療なし)

COVID-19 中等症 II として,レムデシビル+デカドロン治療を開始されたが,

診断 10 日後に重症化し,5 日間 ICU にて人工呼吸器管理を行ったが,ICU 管理後はリハ
ビリ病院へ転院し,その後,在宅酸素療法を導入し自宅退院した.発症 5 カ月後でも休

み休みでなければ 50m 以上歩けない状態で,通所リハビリを継続した.しかし,呼吸困
難が改善せず,発症 10 カ月後に専門医を受診した.

図に胸部 CT の経過を示す.発症時は広範に淡いすりガラス影を認め,典型的な

COVID-19 肺炎と考えられる.その後,下段のように徐々に線維化が進行し,特に右肺
では牽引性気管支拡張が目立ち,肺容積の減少が顕著であった.気管支鏡検査等を行った

上で,COVID-19 罹患後の遷延性肺障害と総合的に診断し,ステロイド治療を開始した.
治療開始後,症状はやや改善したが,画像上の改善は乏しく,ステロイドはゆっくりと漸
減している.

症例のポイント

COVID-19 では通常,異常陰影は経時的に軽快していくが,稀に本例

のように線維化が遷延する症例もある.

本例ではステロイド療法を実施し,部分的な症状改善は得られたものの,画像上の改善

は認められなかった.

[ 発症時 ]

[ 発症 1 カ月 ]

[ 発症 5 カ月 ]

77

[ 発症 9 カ月 ]