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【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版) (77 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00402.html |
出典情報 | 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版)(10/20)《厚生労働省》 |
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14
●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き
1
主
別冊
罹患後症状のマネジメント・第 3.0 版 ● 14 症例集
症例集
症例集には,他疾患との鑑別ができた例,フォローアップにより経過が改善した例,回復がなかなか見られなかっ
た例などをまとめた.
労作時呼吸困難感を主訴に受診し,肺塞栓症であった 60 代男性の症例
訴
生活歴
労作時呼吸困難感
特記すべき事項なし
既往歴や合併症
既往歴として関節リウマチがあり,メソトレキセート , バリシチニブ
を継続投与中である.
経
過
COVID-19 中等症Ⅱとして,レムデシビル+デカドロン治療を開始され,25
日間入院した.退院後 2 週間ほどして室内歩行や労作時の息苦しさを感じ持続するため,
発症 2 カ月後に再診した.発熱,咳嗽や喀痰は認めない.
SpO2 96%
(O2 オキシマスク 4L/ 分 )[ 退院時 SpO2 97%(室内気 )]
度 crackles を聴取する.
下肺野で軽
血液検査では凝固・線溶系検査異常を認めた [FDP 67.6(正常値 <5 μ g/mL)
,D ダ
イマー 21.0(正常値 <1 μ g/mL)].このため肺血栓塞栓症を疑い,
造影 CT を撮影した
(下
図).肺塞栓症(右上下肺動脈,左下肺動脈)と診断し,ヘパリン 5 千単位静脈注射後ヘ
パリン 2 万単位 / 日を持続投与し,その後,リバーロキサバンを投与し,軽快した.
症例のポイント
労作時呼吸困難感を主訴に受診したが,肺野病変は認めず,血栓塞栓
症であった1例である.COVID-19 は全身に影響を及ぼしうるため,ぬけもれなく鑑別
疾患を考慮することが重要である.
造影 CT
76
●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き
1
主
別冊
罹患後症状のマネジメント・第 3.0 版 ● 14 症例集
症例集
症例集には,他疾患との鑑別ができた例,フォローアップにより経過が改善した例,回復がなかなか見られなかっ
た例などをまとめた.
労作時呼吸困難感を主訴に受診し,肺塞栓症であった 60 代男性の症例
訴
生活歴
労作時呼吸困難感
特記すべき事項なし
既往歴や合併症
既往歴として関節リウマチがあり,メソトレキセート , バリシチニブ
を継続投与中である.
経
過
COVID-19 中等症Ⅱとして,レムデシビル+デカドロン治療を開始され,25
日間入院した.退院後 2 週間ほどして室内歩行や労作時の息苦しさを感じ持続するため,
発症 2 カ月後に再診した.発熱,咳嗽や喀痰は認めない.
SpO2 96%
(O2 オキシマスク 4L/ 分 )[ 退院時 SpO2 97%(室内気 )]
度 crackles を聴取する.
下肺野で軽
血液検査では凝固・線溶系検査異常を認めた [FDP 67.6(正常値 <5 μ g/mL)
,D ダ
イマー 21.0(正常値 <1 μ g/mL)].このため肺血栓塞栓症を疑い,
造影 CT を撮影した
(下
図).肺塞栓症(右上下肺動脈,左下肺動脈)と診断し,ヘパリン 5 千単位静脈注射後ヘ
パリン 2 万単位 / 日を持続投与し,その後,リバーロキサバンを投与し,軽快した.
症例のポイント
労作時呼吸困難感を主訴に受診したが,肺野病変は認めず,血栓塞栓
症であった1例である.COVID-19 は全身に影響を及ぼしうるため,ぬけもれなく鑑別
疾患を考慮することが重要である.
造影 CT
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