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【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版) (83 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00402.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版)(10/20)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き

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別冊

罹患後症状のマネジメント・第 3.0 版 ● 14 症例集

下肢の筋力低下や倦怠感,活力低下などさまざまな症状を訴えた 20 代
男性の症例


両足に力が入らない,両足が痺れる,つかれやすい,元気が出ない,やる気

がおきない,途中で目が覚める
生活歴

学生.学歴には特記事項なし

既往歴や合併症

特記すべき事項なし

現病歴

COVID-19 罹患のため自宅療養し,約 2 週間で復学した.1 カ月後から右下肢の感覚

異常,筋力低下を訴えるようになり,近医整形外科を受診した.その後,杖歩行となった.
両下肢の感覚異常,筋力低下が進行し,感染から 3 カ月後に近医内科を紹介され精査目的
で入院した.血液検査,髄液検査,頭部・胸腰椎 MRI,神経伝導検査で異常を認めず,筋

電図では筋原性・神経原性変化を疑う所見は見当たらなかった.このため,身体症状症が
疑われ,感染から 5 カ月後に精神科病院に紹介となった.

精神科病院外来で精査を行った.倦怠感,うつ病,中途覚醒を認め,抗うつ薬,睡眠薬を
開始した.当院受診までの間,長期間の座位での生活により廃用性筋力低下が進んでいた
ため,リハビリ病院との連携を行い,リハビリを開始した.

リハビリには積極的に参加し,感染から 7 カ月後には少しずつではあるが改善傾向となり,
治療に対しても積極性がみられるようになった.
症例のポイント

COVID-19 罹患後に,下肢の感覚異常,筋力低下が出現し,内科・整

形外科などの専門医療機関に受診し,精査したが原因がみつからず,身体症状症の診断

で精神科に紹介された症例である.関連する診療科同士でていねいに連携し,患者に心
理的安全性を提供できた.思春期は神経発達の過程において不安を感じやすい時期でも
あり,心理検査等による評価を含め,専門家へのコンサルテーションが重要である.

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