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【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版) (34 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00402.html |
出典情報 | 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版)(10/20)《厚生労働省》 |
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き
別冊
罹患後症状のマネジメント・第 3.0 版 ● 5 嗅覚・味覚症状へのアプローチ
5.プライマリケアにおけるマネジメント
【嗅覚障害】
鼻腔内の内視鏡による観察,嗅覚検査などは耳鼻咽喉科専門診療が必要であり,耳鼻咽喉科
へ紹介する.嗅覚検査が必要と思われる場合は,嗅覚外来を有する専門医療機関への紹介が好
ましい.
【味覚障害】
味覚障害の原因として,口腔乾燥症(シェーグレン症候群を含む)
,口腔真菌症などの局所の
病変の他,亜鉛欠乏,さまざまな薬物,鉄欠乏性貧血,ビタミン B1 や B12 の欠乏,全身疾患
(糖尿病,肝疾患,腎疾患,悪性腫瘍),心因性(ストレス,双極性障害など)があげられるため,
それらの診断のための病歴聴取,口腔内の診察,血液検査を行う.
病歴聴取にあたっては,味覚障害が嗅覚障害に伴う風味障害であることが多いため,
嗅覚障害,
嗅覚異常の有無を聴取することが重要である.
6.専門医・拠点病院への紹介の目安・タイミング
【嗅覚障害】
発症後2週以上経過しても嗅覚障害が続く場合は,耳鼻咽喉科専門医を紹介する.
【味覚障害】
味覚障害があり,味覚検査が必要と思われる場合は,味覚検査が行える専門病院を紹介する.
7.専門医・拠点病院でのマネジメント
【嗅覚障害】
嗅覚障害の診断において鼻内視鏡検査は不可欠である.可能であれば CT を施行する.内視
鏡検査では中鼻道のみならず嗅裂まで観察する.一見,正常に見えても嗅裂のみの閉塞を認め
ることがあるためである.嗅覚検査も嗅覚障害の診断に重要であるが,嗅覚検査が行えない場
合は,行える病院への紹介が望ましい.
COVID-19 による嗅覚障害の発症早期1〜2カ月間は,嗅裂の炎症をきたしていることが多
いため,ステロイドの噴霧,点鼻などの局所投与とともに,鼻洗浄を行う.発症後1〜2カ月
経過し,嗅覚検査で異常を認めるにも関わらず,鼻内視鏡あるいは CT で鼻副鼻腔に異常を認
めない場合は,嗅神経性嗅覚障害の可能性が高い.他の神経症状も存在する場合は,中枢性嗅
覚障害を疑い MRI を行う.嗅神経性嗅覚障害の場合,有効性に関してエビデンスが得られた治
療はないが,感冒後嗅覚障害に準じた治療を行う.
『嗅覚障害診療ガイドライン』でも各種治療
方針が示されている.
【味覚障害】
味覚検査(電気味覚検査,ろ紙ディスク法)を行う.味覚検査,特に電気味覚検査が正常
値の場合,嗅覚障害による風味障害が疑われるため嗅覚検査も行う.電気味覚検査が正常で,
ろ紙ディスク法が異常な場合,味蕾あるいは味細胞の減少あるいは受容の異常が疑われる.
COVID-19 による異味症でもこのパターンを示すことが多い.
COVID-19 による味覚障害に特化した治療はないが,COVID-19 では血清亜鉛低値を示す
ことが多く,亜鉛低値を示す場合は亜鉛製剤を投与する.
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別冊
罹患後症状のマネジメント・第 3.0 版 ● 5 嗅覚・味覚症状へのアプローチ
5.プライマリケアにおけるマネジメント
【嗅覚障害】
鼻腔内の内視鏡による観察,嗅覚検査などは耳鼻咽喉科専門診療が必要であり,耳鼻咽喉科
へ紹介する.嗅覚検査が必要と思われる場合は,嗅覚外来を有する専門医療機関への紹介が好
ましい.
【味覚障害】
味覚障害の原因として,口腔乾燥症(シェーグレン症候群を含む)
,口腔真菌症などの局所の
病変の他,亜鉛欠乏,さまざまな薬物,鉄欠乏性貧血,ビタミン B1 や B12 の欠乏,全身疾患
(糖尿病,肝疾患,腎疾患,悪性腫瘍),心因性(ストレス,双極性障害など)があげられるため,
それらの診断のための病歴聴取,口腔内の診察,血液検査を行う.
病歴聴取にあたっては,味覚障害が嗅覚障害に伴う風味障害であることが多いため,
嗅覚障害,
嗅覚異常の有無を聴取することが重要である.
6.専門医・拠点病院への紹介の目安・タイミング
【嗅覚障害】
発症後2週以上経過しても嗅覚障害が続く場合は,耳鼻咽喉科専門医を紹介する.
【味覚障害】
味覚障害があり,味覚検査が必要と思われる場合は,味覚検査が行える専門病院を紹介する.
7.専門医・拠点病院でのマネジメント
【嗅覚障害】
嗅覚障害の診断において鼻内視鏡検査は不可欠である.可能であれば CT を施行する.内視
鏡検査では中鼻道のみならず嗅裂まで観察する.一見,正常に見えても嗅裂のみの閉塞を認め
ることがあるためである.嗅覚検査も嗅覚障害の診断に重要であるが,嗅覚検査が行えない場
合は,行える病院への紹介が望ましい.
COVID-19 による嗅覚障害の発症早期1〜2カ月間は,嗅裂の炎症をきたしていることが多
いため,ステロイドの噴霧,点鼻などの局所投与とともに,鼻洗浄を行う.発症後1〜2カ月
経過し,嗅覚検査で異常を認めるにも関わらず,鼻内視鏡あるいは CT で鼻副鼻腔に異常を認
めない場合は,嗅神経性嗅覚障害の可能性が高い.他の神経症状も存在する場合は,中枢性嗅
覚障害を疑い MRI を行う.嗅神経性嗅覚障害の場合,有効性に関してエビデンスが得られた治
療はないが,感冒後嗅覚障害に準じた治療を行う.
『嗅覚障害診療ガイドライン』でも各種治療
方針が示されている.
【味覚障害】
味覚検査(電気味覚検査,ろ紙ディスク法)を行う.味覚検査,特に電気味覚検査が正常
値の場合,嗅覚障害による風味障害が疑われるため嗅覚検査も行う.電気味覚検査が正常で,
ろ紙ディスク法が異常な場合,味蕾あるいは味細胞の減少あるいは受容の異常が疑われる.
COVID-19 による異味症でもこのパターンを示すことが多い.
COVID-19 による味覚障害に特化した治療はないが,COVID-19 では血清亜鉛低値を示す
ことが多く,亜鉛低値を示す場合は亜鉛製剤を投与する.
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