よむ、つかう、まなぶ。
【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版) (23 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00402.html |
出典情報 | 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版)(10/20)《厚生労働省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
3
●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き
別冊
罹患後症状のマネジメント・第 3.0 版 ● 3 呼吸器症状へのアプローチ
呼吸器症状へのアプローチ
呼吸困難感・息苦しさ,咳嗽,喀痰,咽頭痛
Key Words
1.はじめに
呼吸器系の罹患後症状は,呼吸困難感・息苦しさを筆頭に,咳嗽,喀痰,咽頭痛が多い.原
因はさまざまであり,低酸素血症を伴う場合も伴わない場合もある.問診と身体診察で診断を
絞り込み,間質性肺炎,気胸・縦郭気腫,心疾患(心不全,虚血性心疾患など)
,肺炎,肺血栓
塞栓症,うつ・不安症(「7 精神症状へのアプローチ」参照)など,原因の鑑別を進める.
問診や身体診察で鑑別診断が絞り込めない場合には,必要に応じて基本的な検査〔胸部 X 線
写真,心電図検査,血液検査(CBC,BNP,CPK,D ダイマー含む)
,経皮的酸素飽和度測定など〕
を行う.それでも原因がわからない場合や 3 ~ 6 カ月症状が持続する場合は専門医に紹介する
ことも考慮する.
2.科学的知見
中等症以上の日本人を対象として経時的な肺機能と画像を検討する研究(厚生労働科学特別
研究事業横山班報告)において認められた症状は,発症急性期には,①発熱 86.9%,②咳嗽
67.3%,③倦怠感 64.1%の順に多かったが,退院 3 カ月後には,①筋力低下の自覚 50.1%,
②呼吸困難感 30.2%,③倦怠感 25.6% の順に認めた.退院 3 カ月後の呼吸器症状の残存に関
しては,入院時の重症度と基礎疾患としての呼吸器疾患の存在が独立した危険因子であった.
いずれの症状も時間とともに頻度が低下したが,退院 12 カ月後において,いずれも約 5 ~
10% で認められ,何らかの罹患後症状は 13.6% に残存していた(図 3-1)
.本研究の対象者
に退院 2 年後に行ったアンケート調査(厚生労働科学研究事業門田班磯分担研究)では,呼吸
困難感は 14% という頻度で認められた.しかし,呼吸困難スケール(mMRC)では,このうち,
図 3-1 主な罹患後症状の推移
図3-1 主な罹患後症状の推移
60 (%)
3カ月後
50
6カ月後
40
9カ月後
12カ月後
30
9.3
20
10
6.0
10.1
4.9
4.6
5.3
5.0
22
咳
痛
肉
筋
考
力
思
睡
眠
障
低
下
害
感
怠
倦
吸
困
呼
筋
力
低
難
感
下
0
●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き
別冊
罹患後症状のマネジメント・第 3.0 版 ● 3 呼吸器症状へのアプローチ
呼吸器症状へのアプローチ
呼吸困難感・息苦しさ,咳嗽,喀痰,咽頭痛
Key Words
1.はじめに
呼吸器系の罹患後症状は,呼吸困難感・息苦しさを筆頭に,咳嗽,喀痰,咽頭痛が多い.原
因はさまざまであり,低酸素血症を伴う場合も伴わない場合もある.問診と身体診察で診断を
絞り込み,間質性肺炎,気胸・縦郭気腫,心疾患(心不全,虚血性心疾患など)
,肺炎,肺血栓
塞栓症,うつ・不安症(「7 精神症状へのアプローチ」参照)など,原因の鑑別を進める.
問診や身体診察で鑑別診断が絞り込めない場合には,必要に応じて基本的な検査〔胸部 X 線
写真,心電図検査,血液検査(CBC,BNP,CPK,D ダイマー含む)
,経皮的酸素飽和度測定など〕
を行う.それでも原因がわからない場合や 3 ~ 6 カ月症状が持続する場合は専門医に紹介する
ことも考慮する.
2.科学的知見
中等症以上の日本人を対象として経時的な肺機能と画像を検討する研究(厚生労働科学特別
研究事業横山班報告)において認められた症状は,発症急性期には,①発熱 86.9%,②咳嗽
67.3%,③倦怠感 64.1%の順に多かったが,退院 3 カ月後には,①筋力低下の自覚 50.1%,
②呼吸困難感 30.2%,③倦怠感 25.6% の順に認めた.退院 3 カ月後の呼吸器症状の残存に関
しては,入院時の重症度と基礎疾患としての呼吸器疾患の存在が独立した危険因子であった.
いずれの症状も時間とともに頻度が低下したが,退院 12 カ月後において,いずれも約 5 ~
10% で認められ,何らかの罹患後症状は 13.6% に残存していた(図 3-1)
.本研究の対象者
に退院 2 年後に行ったアンケート調査(厚生労働科学研究事業門田班磯分担研究)では,呼吸
困難感は 14% という頻度で認められた.しかし,呼吸困難スケール(mMRC)では,このうち,
図 3-1 主な罹患後症状の推移
図3-1 主な罹患後症状の推移
60 (%)
3カ月後
50
6カ月後
40
9カ月後
12カ月後
30
9.3
20
10
6.0
10.1
4.9
4.6
5.3
5.0
22
咳
痛
肉
筋
考
力
思
睡
眠
障
低
下
害
感
怠
倦
吸
困
呼
筋
力
低
難
感
下
0