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【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版) (26 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00402.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版)(10/20)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き

別冊

罹患後症状のマネジメント・第 3.0 版 ● 3 呼吸器症状へのアプローチ

5.プライマリケアにおけるマネジメント
問診や身体所見で鑑別診断を絞り込むことになる.急性期から継続する呼吸困難感や咳嗽で,

検査に異常がない場合は注意深く経過観察する.悪化傾向がある場合は,遷延した間質性肺炎
や心不全などを除外する.突然の悪化は肺血栓塞栓症や気胸・縦隔気腫を疑う.また,虚血性
心疾患や通常の細菌性肺炎,誤嚥性肺炎などの場合もある.身体所見,検査所見において異常

所見が認められず,器質的疾患を疑わない場合は,うつ・不安症などを鑑別し,必要に応じて
適切な医療機関への紹介を検討する.

基本的な検査としては,動脈血液ガスあるいは経皮的酸素飽和度測定,胸部 X 線写真,心電

図検査,血液検査(CBC,BNP,CPK,D ダイマーを含む)があげられる.なお,先に述べ

たように胸部 CT を撮影した場合は,中等症以上の半数以上に,退院から 3 カ月が経過しても
すりガラス陰影を中心とした異常所見が残存していることが報告されているため注意する.

6.専門医・拠点病院への紹介の目安・タイミング
かかりつけ医等による対症療法などによっても 3 ~ 6 カ月以上症状が持続する場合は,呼吸

器専門医への紹介を検討する.一方で,身体所見や検査所見に大きな異常がある場合,画像所
見の判断に迷う場合,さらに新たに,あるいは突然の息苦しさの出現や,悪化傾向がある場合
などは,早期に治療を要することもあるため,早い段階での専門医の受診を勧める.

7.専門医・拠点病院でのマネジメント
まずは,病態の把握と原因精査のために,動脈血液ガス,肺機能検査(DLco を含む)
,6 分

間歩行試験など運動能や労作時低酸素血症の把握,HRCT 画像により鑑別診断を行う.場合に
よっては喀痰検査,心エコー図検査,造影 CT 検査や血管造影を行う.肺炎,心不全,虚血性

心疾患,肺血栓塞栓症などの場合は,それぞれの疾患に対する治療を行う.遷延性の肺機能障

害がみられる場合は気管支肺胞洗浄や経気管支的肺生検による原因精査が必要な場合もある.
上記結果次第では,全身性ステロイド薬が有効な場合もある.

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