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【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版) (73 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00402.html |
出典情報 | 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版)(10/20)《厚生労働省》 |
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き
別冊
罹患後症状のマネジメント・第 3.0 版 ● 12 罹患後症状と産業医学的アプローチ
事例 3)味覚障害が続く調理人の対応
C さん(大手レストラン勤務・厨房担当者,男性,30 歳代)
中等症 COVID-19 の罹患後に職場復帰するが味覚障害は残っていた.徐々に改善していた
ものの,お客さんに提供する食事の味付けに支障を感じていた.相談を受けた主治医は,
「COVID-19 による味覚異常が継続しています.3 カ月程度は,調理の味付けに影響が出
ることが考えられるため,味覚異常が継続している間はほかの業務(配膳・レジ対応など)
に配置することも含めて必要な配慮を検討してください」という意見書を作成した.これ
により C さんは,味覚障害が継続していた期間は,セントラルキッチンにおいて工場で加
工された食材の盛り付けが主たる業務となるよう,職場からの配慮を受けることができた.
○診断書(意見書)の記載例:
症状:□味覚・嗅覚の異常
安全上,制限が必要な作業:なし
その他の配慮事項
□その他(配置転換)
○産業医の対応(事業者への助言)
味付け等の担当から,盛り付け等の担当への業務変更の助言をした.
職場に 1 カ月ごとに労働者の体調のフォローアップを行い,味覚が改善したことを確認し,
本来の業務に復帰するよう助言した.
<事例 3 の配慮の視点>
③罹患後症状によって本来業務を行う能力が損なわれた場合の配慮(味覚障害により調理人
としての作業が困難であり,一時的に業務内容を変更した)
事例 4)ブレインフォグが続く看護師の対応
D さん(病院勤務・新人看護師,女性)
.
入職後 3 カ月目に COVID-19 に感染.強い倦怠感,頭重感,考えのまとまらなさ,注意
力低下があった.睡眠障害(中途覚醒)も出現していたが,日常生活リズムを取り戻した
ため職場復帰した.復帰当初は,単純作業は問題なくできていたが,休職前に習得した手
技もメモをいくら確認してもうまく覚えられなかったり,重症患者など管理指示が多い患
者や二人以上の受け持ち等でマルチタスクとなると,頭が真っ白になり,業務にならな
かった.産業医に相談したところ,主治医から意見書をもらうように指導があり,D さん
は主治医に相談した.「COVID-19 罹患後のブレインフォグと呼ばれる精神神経症状を認
めます.倦怠感や頭重感,注意力低下などの症状があるので,複雑な作業は一時的に回避
し,定型化された作業等に配置することが望まれます.定期的なフォローアップが必要と
なるので,産業医と連携して適切な業務内容や職場での配慮について適宜検討を行いま
す」という主治医からの意見書を職場に提出し,D さんは職場での配慮を得られた.
○診断書(意見書)の記載例:
症状:□倦怠感(疲労感) □思考・集中力の低下(ブレインフォグ)□頭痛
安全上,制限が必要な作業:なし
その他の配慮事項
□その他(マルチタスクや複雑な作業からの業務変更)
○産業医の対応(事業者への助言)
受け持ち患者の数を減らすことや,軽症者やクリニカルパス適応の患者のみの対応とし,
できるだけ非定型業務が入らないような工夫を助言した.
職場に 1 カ月ごとに労働者の体調のフォローアップを行い,症状が改善したことを確認し,
徐々に本来の業務に復帰するよう助言した.
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別冊
罹患後症状のマネジメント・第 3.0 版 ● 12 罹患後症状と産業医学的アプローチ
事例 3)味覚障害が続く調理人の対応
C さん(大手レストラン勤務・厨房担当者,男性,30 歳代)
中等症 COVID-19 の罹患後に職場復帰するが味覚障害は残っていた.徐々に改善していた
ものの,お客さんに提供する食事の味付けに支障を感じていた.相談を受けた主治医は,
「COVID-19 による味覚異常が継続しています.3 カ月程度は,調理の味付けに影響が出
ることが考えられるため,味覚異常が継続している間はほかの業務(配膳・レジ対応など)
に配置することも含めて必要な配慮を検討してください」という意見書を作成した.これ
により C さんは,味覚障害が継続していた期間は,セントラルキッチンにおいて工場で加
工された食材の盛り付けが主たる業務となるよう,職場からの配慮を受けることができた.
○診断書(意見書)の記載例:
症状:□味覚・嗅覚の異常
安全上,制限が必要な作業:なし
その他の配慮事項
□その他(配置転換)
○産業医の対応(事業者への助言)
味付け等の担当から,盛り付け等の担当への業務変更の助言をした.
職場に 1 カ月ごとに労働者の体調のフォローアップを行い,味覚が改善したことを確認し,
本来の業務に復帰するよう助言した.
<事例 3 の配慮の視点>
③罹患後症状によって本来業務を行う能力が損なわれた場合の配慮(味覚障害により調理人
としての作業が困難であり,一時的に業務内容を変更した)
事例 4)ブレインフォグが続く看護師の対応
D さん(病院勤務・新人看護師,女性)
.
入職後 3 カ月目に COVID-19 に感染.強い倦怠感,頭重感,考えのまとまらなさ,注意
力低下があった.睡眠障害(中途覚醒)も出現していたが,日常生活リズムを取り戻した
ため職場復帰した.復帰当初は,単純作業は問題なくできていたが,休職前に習得した手
技もメモをいくら確認してもうまく覚えられなかったり,重症患者など管理指示が多い患
者や二人以上の受け持ち等でマルチタスクとなると,頭が真っ白になり,業務にならな
かった.産業医に相談したところ,主治医から意見書をもらうように指導があり,D さん
は主治医に相談した.「COVID-19 罹患後のブレインフォグと呼ばれる精神神経症状を認
めます.倦怠感や頭重感,注意力低下などの症状があるので,複雑な作業は一時的に回避
し,定型化された作業等に配置することが望まれます.定期的なフォローアップが必要と
なるので,産業医と連携して適切な業務内容や職場での配慮について適宜検討を行いま
す」という主治医からの意見書を職場に提出し,D さんは職場での配慮を得られた.
○診断書(意見書)の記載例:
症状:□倦怠感(疲労感) □思考・集中力の低下(ブレインフォグ)□頭痛
安全上,制限が必要な作業:なし
その他の配慮事項
□その他(マルチタスクや複雑な作業からの業務変更)
○産業医の対応(事業者への助言)
受け持ち患者の数を減らすことや,軽症者やクリニカルパス適応の患者のみの対応とし,
できるだけ非定型業務が入らないような工夫を助言した.
職場に 1 カ月ごとに労働者の体調のフォローアップを行い,症状が改善したことを確認し,
徐々に本来の業務に復帰するよう助言した.
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