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【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版) (61 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00402.html |
出典情報 | 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版)(10/20)《厚生労働省》 |
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き
別冊
罹患後症状のマネジメント・第 3.0 版 ● 10 小児へのアプローチ
コラム:医療機関-学校等の関係者間連携と説明
一般的に,成長期の子どもは体調不良をきたすことが多く,それらの症状は,気候の変
化,睡眠不足,疲労,不安,不規則な生活などの影響を受けやすいといわれている.そして,
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等の感染症も症状に大きく影響する.そのため,
COVID-19 流行時には,罹患後に体調不良が悪化したり長引いたりする子どもが増加した
り,長期欠席による生活の乱れや罹患に伴う不安感がそれに拍車をかける可能性がある.
体調不良が長引くと,子どもは「また具合が悪くなりそうで不安だ」「頑張ろうとしても
頑張れない」
「こんな自分はダメな人間だ」という気持ちが強くなり,それが体調不良をさ
らに悪化させる.そして,子どもは自身の状況をうまく周囲に伝えることができない.こ
のような悪循環を防ぐためには,子どもの声を傾聴するとともに,医師から保護者や学校
等に子どもの状態やつらさを的確に伝え,理解を促し,子どもに寄り添うことが大切である.
そのためには,医療機関-学校等の関係者間の連携が必要である.
学校への情報伝達の方法として,まずは連携前に学校に説明する旨を保護者と本人に説
明し,承諾を得ることが必要である.そのうえで,例えば連絡状や意見書を作成したり,
担任や養護教諭や管理者等に電話で説明したりすることなどを必要に応じて検討する.
医療機関が学校等の関係者に説明する際の留意事項
○成長期の子どもはさまざまな要因により体調不良を呈することが多く,それらは
感染症の罹患によって状況が悪化することもある.
○子どもの体調不良を「気分的なもの」や「気のせい」だと決めつけず,子どもの
つらさを理解しようとする姿勢をもつ.
○安静にしていれば改善するものではない場合もあり,個々の状態に配慮しながら
学校生活を継続させることが大切である.具体的には,医師,保護者,学校関係
者で相談のうえ,必要に応じて次のような配慮を検討する.
・朝の起床が難しい場合には,遅刻して登校する.
・通学の負荷を軽減するために,自家用車等により送迎する.
・授業への参加が難しい場合には保健室や別室で ICT 等を活用した学習等を行っ
たり,体育等の運動は見学としたりするなど,子どもの状況に応じた配慮を行う.
・教室で給食を食べることが気分不良等につながる場合には,別室での食事や
弁当持参,給食前の早退を検討する.
○配慮の対応を取りやめる時期は,症状が再増悪しないよう,子どもや保護者と相
談しながら,焦らず十分に時間をかけて検討する.目標を一方的に決める(1 週
間で強制的にステップアップするなど)のは子どもへの心理的負担が大きいため
注意する.
○感染後の体調不良の多くは3カ月程度で改善していくが,個人差も大きく回復に
長期間を要する場合がある.
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別冊
罹患後症状のマネジメント・第 3.0 版 ● 10 小児へのアプローチ
コラム:医療機関-学校等の関係者間連携と説明
一般的に,成長期の子どもは体調不良をきたすことが多く,それらの症状は,気候の変
化,睡眠不足,疲労,不安,不規則な生活などの影響を受けやすいといわれている.そして,
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等の感染症も症状に大きく影響する.そのため,
COVID-19 流行時には,罹患後に体調不良が悪化したり長引いたりする子どもが増加した
り,長期欠席による生活の乱れや罹患に伴う不安感がそれに拍車をかける可能性がある.
体調不良が長引くと,子どもは「また具合が悪くなりそうで不安だ」「頑張ろうとしても
頑張れない」
「こんな自分はダメな人間だ」という気持ちが強くなり,それが体調不良をさ
らに悪化させる.そして,子どもは自身の状況をうまく周囲に伝えることができない.こ
のような悪循環を防ぐためには,子どもの声を傾聴するとともに,医師から保護者や学校
等に子どもの状態やつらさを的確に伝え,理解を促し,子どもに寄り添うことが大切である.
そのためには,医療機関-学校等の関係者間の連携が必要である.
学校への情報伝達の方法として,まずは連携前に学校に説明する旨を保護者と本人に説
明し,承諾を得ることが必要である.そのうえで,例えば連絡状や意見書を作成したり,
担任や養護教諭や管理者等に電話で説明したりすることなどを必要に応じて検討する.
医療機関が学校等の関係者に説明する際の留意事項
○成長期の子どもはさまざまな要因により体調不良を呈することが多く,それらは
感染症の罹患によって状況が悪化することもある.
○子どもの体調不良を「気分的なもの」や「気のせい」だと決めつけず,子どもの
つらさを理解しようとする姿勢をもつ.
○安静にしていれば改善するものではない場合もあり,個々の状態に配慮しながら
学校生活を継続させることが大切である.具体的には,医師,保護者,学校関係
者で相談のうえ,必要に応じて次のような配慮を検討する.
・朝の起床が難しい場合には,遅刻して登校する.
・通学の負荷を軽減するために,自家用車等により送迎する.
・授業への参加が難しい場合には保健室や別室で ICT 等を活用した学習等を行っ
たり,体育等の運動は見学としたりするなど,子どもの状況に応じた配慮を行う.
・教室で給食を食べることが気分不良等につながる場合には,別室での食事や
弁当持参,給食前の早退を検討する.
○配慮の対応を取りやめる時期は,症状が再増悪しないよう,子どもや保護者と相
談しながら,焦らず十分に時間をかけて検討する.目標を一方的に決める(1 週
間で強制的にステップアップするなど)のは子どもへの心理的負担が大きいため
注意する.
○感染後の体調不良の多くは3カ月程度で改善していくが,個人差も大きく回復に
長期間を要する場合がある.
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