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【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版) (8 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00402.html |
出典情報 | 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版)(10/20)《厚生労働省》 |
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き
別冊
罹患後症状のマネジメント・第 3.0 版 ●1 罹患後症状
の,いずれの症状に関しても経時的に有症状者の頻度が低下する傾向を認めた(診断後 12 カ
月時点に 5%以上残存していた症状は以下の通り.13% : 疲労感・倦怠感,9% : 呼吸困難,8% :
筋力低下,集中力低下,7% : 睡眠障害,記憶障害,6% : 関節痛,筋肉痛,5% : 咳嗽,喀痰,
脱毛,頭痛,味覚障害,嗅覚障害 ).
入院中に酸素需要のあった患者は酸素需要のなかった患者と比べて診断後3カ月,6 カ月,
12 カ月といずれの時点でも罹患後症状を有する頻度が高かった.また,入院中に気管内挿管・
人工呼吸器管理を要した患者は,挿管が不要であった患者と比べていずれの時点でも罹患後症
状を有する頻度が高かった.
診断 24 カ月後の調査にて,診断後 3 カ月時点で認められた罹患後症状に限定して集計を行っ
たところ,718 人中 189 人(26%)に症状が残存していた.呼吸器症状(咳嗽,息切れ)は
7%,神経症状(疲労感・倦怠感,記憶障害,集中力低下,味覚障害,嗅覚障害,筋力低下,頭痛,
睡眠障害)は 19% であった.
男女別の検討では,診断後 3 カ月時点で男性 44%,女性 51%,診断後 6 カ月時点で男性
38%,女性 45%,診断後 12 カ月時点で男性 32%,女性 35% と , いずれの時点でも罹患後
症状を有する割合は女性に多かったが,時間の経過とともに男女差は縮小した . また,診断後
3 カ月時点で認めた症状に限定して集計した , 診断後 24 カ月時点での罹患後症状の頻度は,
男性 26%,女性 27%であり,ほぼ同一であった .
さらに年齢別の検討では,罹患後症状を 1 つでも有する割合は,若年者(40 歳以下),中年
者(41 ~ 64 歳),高齢者(65 歳以上)の各年齢層で,診断後 3 カ月時点で それぞれ 44%,
52%,40%,診断後 6 カ月時点で 39%,45%,34%,診断後 12 カ月時点で 32%,38%,
28%と,いずれも中年者で高かった.診断後 12 カ月時点では,若年者で感覚過敏,脱毛,頭痛,
集中力低下,味覚障害,嗅覚障害が多く,中年者と高齢者では,咳嗽,喀痰,関節痛,筋肉痛,
眼科症状を多く認めた.
また,罹患後症状が残存する患者は,罹患後症状を有しない患者に比べて,健康関連 QOL
は低く,不安や抑うつ,COVID-19 に対する恐怖,睡眠障害を自覚する傾向は強まった.
日本の研究(厚生労働科学特別研究事業横山班報告)として,中等症以上の患者 1,003 例を
対象に経時的な肺機能と画像を検討している.筋力低下や疲労感・倦怠感などの症状は時間と
ともに頻度が低下したが,診断後 12 カ月において,いずれも約 5 ~ 10%で認められ,何ら
かの罹患後症状は 14%にみられた(「3 呼吸器症状へのアプローチ」参照).
2021 年 4 ~9月(4,5 波)の COVID-19 入院者で生存退院をした 20 歳以上 1,040 例を
対象とした中等症・重症患者が中心の調査(CORES Ⅱ,厚生労働行政推進調査事業門田班報
告)では,感染から 3 カ月以内に出現し約1年後も継続している症状が1つ以上あると回答し
た割合は,45%であった.主な症状は,呼吸困難感 21%,疲労感・倦怠感 18%,筋力低下
15%,集中力低下 13%,睡眠障害 13%といった呼吸器症状や神経症状であった.
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別冊
罹患後症状のマネジメント・第 3.0 版 ●1 罹患後症状
の,いずれの症状に関しても経時的に有症状者の頻度が低下する傾向を認めた(診断後 12 カ
月時点に 5%以上残存していた症状は以下の通り.13% : 疲労感・倦怠感,9% : 呼吸困難,8% :
筋力低下,集中力低下,7% : 睡眠障害,記憶障害,6% : 関節痛,筋肉痛,5% : 咳嗽,喀痰,
脱毛,頭痛,味覚障害,嗅覚障害 ).
入院中に酸素需要のあった患者は酸素需要のなかった患者と比べて診断後3カ月,6 カ月,
12 カ月といずれの時点でも罹患後症状を有する頻度が高かった.また,入院中に気管内挿管・
人工呼吸器管理を要した患者は,挿管が不要であった患者と比べていずれの時点でも罹患後症
状を有する頻度が高かった.
診断 24 カ月後の調査にて,診断後 3 カ月時点で認められた罹患後症状に限定して集計を行っ
たところ,718 人中 189 人(26%)に症状が残存していた.呼吸器症状(咳嗽,息切れ)は
7%,神経症状(疲労感・倦怠感,記憶障害,集中力低下,味覚障害,嗅覚障害,筋力低下,頭痛,
睡眠障害)は 19% であった.
男女別の検討では,診断後 3 カ月時点で男性 44%,女性 51%,診断後 6 カ月時点で男性
38%,女性 45%,診断後 12 カ月時点で男性 32%,女性 35% と , いずれの時点でも罹患後
症状を有する割合は女性に多かったが,時間の経過とともに男女差は縮小した . また,診断後
3 カ月時点で認めた症状に限定して集計した , 診断後 24 カ月時点での罹患後症状の頻度は,
男性 26%,女性 27%であり,ほぼ同一であった .
さらに年齢別の検討では,罹患後症状を 1 つでも有する割合は,若年者(40 歳以下),中年
者(41 ~ 64 歳),高齢者(65 歳以上)の各年齢層で,診断後 3 カ月時点で それぞれ 44%,
52%,40%,診断後 6 カ月時点で 39%,45%,34%,診断後 12 カ月時点で 32%,38%,
28%と,いずれも中年者で高かった.診断後 12 カ月時点では,若年者で感覚過敏,脱毛,頭痛,
集中力低下,味覚障害,嗅覚障害が多く,中年者と高齢者では,咳嗽,喀痰,関節痛,筋肉痛,
眼科症状を多く認めた.
また,罹患後症状が残存する患者は,罹患後症状を有しない患者に比べて,健康関連 QOL
は低く,不安や抑うつ,COVID-19 に対する恐怖,睡眠障害を自覚する傾向は強まった.
日本の研究(厚生労働科学特別研究事業横山班報告)として,中等症以上の患者 1,003 例を
対象に経時的な肺機能と画像を検討している.筋力低下や疲労感・倦怠感などの症状は時間と
ともに頻度が低下したが,診断後 12 カ月において,いずれも約 5 ~ 10%で認められ,何ら
かの罹患後症状は 14%にみられた(「3 呼吸器症状へのアプローチ」参照).
2021 年 4 ~9月(4,5 波)の COVID-19 入院者で生存退院をした 20 歳以上 1,040 例を
対象とした中等症・重症患者が中心の調査(CORES Ⅱ,厚生労働行政推進調査事業門田班報
告)では,感染から 3 カ月以内に出現し約1年後も継続している症状が1つ以上あると回答し
た割合は,45%であった.主な症状は,呼吸困難感 21%,疲労感・倦怠感 18%,筋力低下
15%,集中力低下 13%,睡眠障害 13%といった呼吸器症状や神経症状であった.
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