よむ、つかう、まなぶ。
【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版) (54 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00402.html |
出典情報 | 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(第3.0版)(10/20)《厚生労働省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き
別冊
罹患後症状のマネジメント・第 3.0 版 ● 9 皮膚症状へのアプローチ
さらに 457 名の COVID-19 回復者を対象に行われた国内でのアンケート調査では,22.7%
が脱毛症を経験し,さらに 16%が 4 週後時点で,6.3%が 12 週後時点でも脱毛症の症状がみ
られた.これらの休止期脱毛症は基本的に可逆的と考えられている.
COVID-19 に関連したさまざまな脱毛症患者 1,826 名(平均年齢 54.5 歳,男性 54.3%)
を対象としたシステマティック・レビューでは,最も一般的な脱毛症のタイプは,男性型脱毛
症(30.7%,男性 86.4%),休止期脱毛症(19.8%,男性 19.3%)
,円形脱毛症(7.8%,男
性 40.0%)であったが,このうち休止期脱毛症は 93.6%の症例で COVID-19 を契機に発症
していた.
なお,東京都の後遺症対策チームにおいて,「コロナ後遺症相談窓口」相談データをもとに,
新型コロナウイルスの中でもオミクロンと見込まれる感染者の後遺症について分析したデータ
によると,脱毛は 0.8%の割合でみられ,デルタの頃と比較すると大きく減少している.
【参考:COVID-19 と帯状疱疹の関連について】
COVID-19 と帯状疱疹(HZ)との関連についてはさまざまな議論がある.ブラジルでは
2017 ~ 2019 年の COVID-19 流行前の同じ間隔と比較して,COVID-19 流行時(2020 年
3 ~ 8 月)の HZ 患者数は 35.4% 増加した.また,米国での 50 歳以上の COVID-19 患者
394,677 人と非感染者 1,577,346 人において年齢,性別,HZ 危険因子の有無,医療費水準
によってマッチさせた研究では,COVID-19 患者は非感染者に比べて HZ リスクが 15%高く,
COVID-19 入院患者ではさらに顕著(21%)になった.世界 19 カ国のコホート研究において,
2021 年末までの COVID-19 罹患後,1年間の HZ 発症を調査した研究では,COVID-19 発
症者は非発症者に比べて HZ のリスクが高かった(HR:1.59;95% CI:1.49-1.69).一方,
宮崎での帯状疱疹大規模疫学研究(Miyazaki Study)では,2020 年の COVID-19 の拡大は
HZ 発症率に影響を与えなかったと報告している.
3.症状へのアプローチ
図 9-1
診療のフローチャート
53
別冊
罹患後症状のマネジメント・第 3.0 版 ● 9 皮膚症状へのアプローチ
さらに 457 名の COVID-19 回復者を対象に行われた国内でのアンケート調査では,22.7%
が脱毛症を経験し,さらに 16%が 4 週後時点で,6.3%が 12 週後時点でも脱毛症の症状がみ
られた.これらの休止期脱毛症は基本的に可逆的と考えられている.
COVID-19 に関連したさまざまな脱毛症患者 1,826 名(平均年齢 54.5 歳,男性 54.3%)
を対象としたシステマティック・レビューでは,最も一般的な脱毛症のタイプは,男性型脱毛
症(30.7%,男性 86.4%),休止期脱毛症(19.8%,男性 19.3%)
,円形脱毛症(7.8%,男
性 40.0%)であったが,このうち休止期脱毛症は 93.6%の症例で COVID-19 を契機に発症
していた.
なお,東京都の後遺症対策チームにおいて,「コロナ後遺症相談窓口」相談データをもとに,
新型コロナウイルスの中でもオミクロンと見込まれる感染者の後遺症について分析したデータ
によると,脱毛は 0.8%の割合でみられ,デルタの頃と比較すると大きく減少している.
【参考:COVID-19 と帯状疱疹の関連について】
COVID-19 と帯状疱疹(HZ)との関連についてはさまざまな議論がある.ブラジルでは
2017 ~ 2019 年の COVID-19 流行前の同じ間隔と比較して,COVID-19 流行時(2020 年
3 ~ 8 月)の HZ 患者数は 35.4% 増加した.また,米国での 50 歳以上の COVID-19 患者
394,677 人と非感染者 1,577,346 人において年齢,性別,HZ 危険因子の有無,医療費水準
によってマッチさせた研究では,COVID-19 患者は非感染者に比べて HZ リスクが 15%高く,
COVID-19 入院患者ではさらに顕著(21%)になった.世界 19 カ国のコホート研究において,
2021 年末までの COVID-19 罹患後,1年間の HZ 発症を調査した研究では,COVID-19 発
症者は非発症者に比べて HZ のリスクが高かった(HR:1.59;95% CI:1.49-1.69).一方,
宮崎での帯状疱疹大規模疫学研究(Miyazaki Study)では,2020 年の COVID-19 の拡大は
HZ 発症率に影響を与えなかったと報告している.
3.症状へのアプローチ
図 9-1
診療のフローチャート
53