参考資料4 がん検診事業のあり方について(案)令和4年12月 (123 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_30625.html |
出典情報 | がん検診のあり方に関する検討会(第37回 1/30)《厚生労働省》 |
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体による検診の運用面を考えると、性交渉の経験のない方を検診対象から除外することは現実
的ではありません。
Q4
子宮を全摘出した方は子宮頸がん検診の対象になりますか。
A4
子宮筋腫や子宮頸がんで子宮を全摘出した方は検診の対象外です(子宮頸がんの再発の有無を
確認するために、医療機関でのフォローアップが必要です)。一方、子宮腟上部切断術といって
子宮体部を摘出し子宮頸部を残す手術を行った場合(分娩時の大出血による緊急手術など)は、
残存子宮頸部から子宮頸がんが発生する可能性があり、子宮頸がん検診の対象になります。
子宮頸がんで子宮を全摘出した後の再発の有無は細胞診だけでは判断できず、他の検査を併用
することがしばしばあります。従って、がん検診としての細胞診のみで術後フォローアップを行
うことは、検診の意義に合致しないばかりでなく、患者さんにも不利益が起きる恐れがありま
す。子宮体がんによる子宮全摘出術後の方も同様です。また、子宮筋腫など他の疾患で子宮を全
摘出した方に対しても、残った腟の断端の擦過細胞診による腟がんの検診も、死亡率を減少させ
る効果が明らかでないことから検診対象になりません。
Q5
妊婦健診(健康診査)の項目として子宮頸がん検診を実施することは可能ですか。
A5
可能です。その場合は対策型検診として非妊時と同様の手順のもとに行ってください(対象年
齢、受診間隔、検査方法、要精検者への精検受診勧奨の実施、精検結果の追跡実施などを遵守す
る)。なお、妊婦健診で行った子宮頸がん検診(指針と同一の検診項目のみ:細胞診)は、地域
保健・健康増進事業報告に計上することになっています。ただし、受診者数だけでなく、細胞診
の判定別人数や精検受診の有無別人数の報告をお願いします。受診者数のみの報告は認められ
ていません(厚労省確認済み)。
Q6
子宮体がん検診は国から推奨されていないのでしょうか。
A6
子宮体がん検診は推奨されていません。子宮体がんの細胞診は、死亡率減少効果が認められてお
らず、「検診」として行われている国はありません。
Q7
乳がんで片方の乳房を切除した方について、もう片方の残存している乳房は検診の対象になり
ますか。
A7
残った乳房に対する対策型検診のあり方についての公的文書はなく、現時点では各自治体で判
断することになります。国立がん研究センターとしては、都道府県単位(生活習慣病検診等管理
指導協議会)で方針を検討されるのが良いと考えます。
乳がんの術後一定期間は治療機関で保険診療にてフォローすべきですが、現時点では、術後何年
までを保険診療でフォローするかは決まっていません。保険診療のフォローが終了した人につ
いては検診に戻すのが現実的と言えそうですが、現時点での統一見解はありません。乳がんの術
後フォローはたいてい 10 年としている施設が多いようで、術後 10 年を過ぎれば検診で対応す
るのが現実的と言えそうです。ただし統一見解は示されていません。
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