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予算執行調査資料 総括調査票(令和5年6月公表分) (57 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/budget_execution_audit/fy2023/sy0506/0506d.html
出典情報 予算執行調査資料 総括調査票(令和5年6月公表分)(6/30)《財務省》
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調査事案名

農林水産省

組織

農林水産本省

会計

調



調査対象
予 算 額

(19)農業農村整備事業(汎用化の効果)

府省名



一般会計



令和3年度:159,578百万円の内数 ほか
(参考 令和5年度:63,319百万円の内数)



農業農村整備事業費

調査主体

本省



農業競争力強化基盤整備事業費補助

取りまとめ財務局



①調査事案の概要
【調査の背景・概要】
我が国では、主食用米の需要が中長期的に減少傾向(▲約10万t/年)にあり生産も減少している中、限られた農地を有効活用し(全作物を自給するには追加で2倍の農地が必要との
農林水産省試算もある)、収益性の高い野菜や国内で自給できていない麦・大豆など畑作物の生産を、需要に応じて効果的・効率的に推進していく必要がある。こうした畑作物の生産
推進に当たって、水田から畑地への転換を進めていくことで生産性の向上を図ることや、水田であっても裏作で畑作物を生産することなどにより耕地利用率の向上(昭和36年138%→令
和3年91%に減少)を図っていく必要がある。その一方で、「水田活用の直接支払交付金」により主食用米からの転作助成が実施されている影響も相まって、実態としては畑地化より
も水稲を主とする基盤整備に比重が置かれ、畑作物ではなく、作付インセンティブが高い飼料用米など水稲が過剰に作付されている(飼料用米は食料・農業・農村基本計画における令
和12年度の目標を令和4年度に10万t・4.5万ha超過し、これは少なくとも転作助成における200億円の追加的な財政支出に相当※1)。
また、農業経営の観点からも、稲作は主業経営体の生産割合が4割にとどまり小規模な副業的経営体が多くを占める(稲作の一人当たり年間労働時間は約25日分といった短時間で済
む※2)ことに加え、比較的大きな稲作農家ほど飼料用米等の転作助成金に依存している等課題が多く、今後は、需要に応じた畑作物の生産に効果的・効率的に取り組む経営体のための
基盤整備を推進していく必要がある。
本事業は、水田や畑地の基盤整備(区画整理、排水改良、汎用化、畑地化等)への支援を実施しているが、上記のような状況を適切に踏まえた執行状況となっているかを検証するた
め、事業内容別の実施割合や事業実施後の作付動向、水田の汎用化の実態や畑地化との比較等について調査を実施した。

【農地整備事業のイメージ】
(実施主体)都道府県、市町村、土地改良区 等
(採択要件)受益面積20ha以上、担い手への農地
集積率50%以上※3等
※3 「令和5年に農地集積率8割」との目標に対し、
現状は全体平均で約6割、基盤整備実施後の地区の
平均は8割を超えており、事業要件はそれより低い

(補助率)国費50% 等
(促進費)事業実施後の農地集積率や集約化率に
応じ国費等を追加交付し農家の事業費負担
(基本12.5%)を軽減※4(下表)
※4 事業前から条件を満たしている場合も満額交付
されている
農地
集約化
促進費
集積率
加算
85%-

8.5%

+4.0%

75-85%

7.5%

+3.0%

65-75%

6.5%

+2.0%

55-65%

5.5%

+1.0%

※1 飼料用米の反当たり助成単価の中央値と麦・大豆の単価の差額で単純換算
※2 一日8時間労働として単純換算

【対象事業】
農業農村整備事業(農業競争力強化基盤整備事業)のうち、農地整備事業(平成29年度
~令和3年度までに事業が完了した451地区のうち回答のあった241地区)。

【農地整備事業の主な目的】
①排水改良せず、水田の区画整理のみ行い水稲を作付
水稲を主とする基盤整備
②水田を排水改良し、水稲を作付
③水田を排水改良し、水稲を作付するが、麦・大豆や高収益作物(野菜等)など畑作
も実施<水田の汎用化>
④水田を排水改良し、畑地に転換<水田の畑地化>
畑作を主とする基盤整備
⑤畑地の高機能化・区画整理を行い畑作を実施

【水田の汎用化と水田の畑地化の違い】
「水田の汎用化」(=「汎用田の整備」)は、水稲を作付しつつ畑作物を裏作・輪
作できるよう、水田の貯水能力を残したまま暗渠管の導入等により排水機能を強化す
る事業。(下図)
「水田の畑地化」は、水稲から畑作物に転換できるよう、畦畔(あぜ)を除去した
り、必要に応じ排水機能を強化するなど、水田から畑地に転換する事業。
用水路

(参考:土地改良区決済金等支援)
畑地化に取り組む農業者に対し、畑地
化に伴い土地改良区に地区除外決済金
等の支払いが生じた場合、支援を実施
(令和4年度補正予算で措置)

水門

暗渠管

排水路

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