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予算執行調査資料 総括調査票(令和5年6月公表分) (58 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/budget_execution_audit/fy2023/sy0506/0506d.html |
出典情報 | 予算執行調査資料 総括調査票(令和5年6月公表分)(6/30)《財務省》 |
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2/4
総
調査事案名
括
調
査
票
(19)農業農村整備事業(汎用化の効果)
②調査の視点
1.事業内容別の実施割合や事業実施後の作付動向
2.水田の汎用化の実態や畑地化との比較
(1)事業の実施状況が水稲を主とする整備に偏っていないか。畑作を主と
する基盤整備にも予算が適切に配分されているか。
(2)事業実施後の畑作物の作付は、計画どおりに実施されているか。
(1)汎用化された水田は、適切に畑作物の作付に活用されているか。
(2)水田の汎用化は、畑地化と比べ生産性向上の効果が高いと言えるか。
(3)水田の汎用化は、畑地化と比べて高コストとなっていないか。
③調査結果及びその分析
(千円/10a)
1.事業内容別の実施割合や事業実施後の作付動向
(1)事業内容別の事業費の割合等
農地整備事業の事業費の85%は①~③の水稲を主とする基盤
整備に使われており、特に「③水田の汎用化」が60%と多くを占
めている。一方で、「⑤畑地の高機能化」は15%程度であり、「④
水田の畑地化」は1%未満とほとんど実施されていない。なお、
面積ベースでは、「⑤畑地の高機能化」が40%程度(北海道の大
規模なものが多い)となるが、全体として①~③の水稲を主と
する基盤整備が多くを占めている。【図1】
また、単位面積(10a)当たりの事業費を見ると、④・⑤の
畑作を主とする基盤整備が比較的低コストとなる傾向にある
(例外的に、「①水田の区画整理のみ」は暗渠排水などの工事を
実施しないため比較的にコストが低い)。【図2】
事業面積(総計3.3万ha)
事業費(総額1,560億円)
①~③
で85%
【図1】農地整備事業①~⑤の実施状況
【図2】10a当たり事業費の地区平均
【表1】調査地区の事業実施前・計画・事業実施後の作付状況(ha)
(2)事業実施後の作付動向
事業実施後の作付動向を見ると、転作助成等の影響もあり水稲を主とする基盤整
備の①~③の全てにおいて飼料用米の作付が事業計画を超えて大幅に増加(「②水
田の排水改良」や「③水田の汎用化」での作付が多くを占める)した一方で、麦・大
豆や野菜・果樹などの畑作物の作付面積は事業計画を下回り、特に大豆や野菜・果
樹は事業実施前に比しても低下するなど、水稲から畑作物への作付転換は後退して
いる。【表1】
こうした事業実施後の作付動向について、農林水産省や事業実施主体によるフォ
ローアップはほとんど実施されておらず、事業計画と食料・農業・農村基本計画の
整合性が事業実施前に図られたのかも確認できなかったが(飼料用米の作付の事業
計画は事業実施前の約7倍)、本事業の現状としては、事業計画どおりに進んでい
ないのにもかかわらず要した本事業の費用に加えて、本事業において飼料用米の作
付が事業計画から約3倍となり471ha超過したことにより、転作助成として少なく
とも2億円の追加的な財政支出※が発生したことが確認された。
水稲
土地利用型作物
主食用米 飼料用米 加工用等
麦
大豆
飼料作物
高収益作物
野菜
果樹
その他
事業実施前
13,709
36
455 6,745 2,218
2,422 5,601
202 6,171
事業計画
13,150
254
503 7,038 2,484
2,372 6,099
197 5,962
事業実施後(※)
12,295
725
350 6,998 2,084
2,444 4,700
163 5,567
※作付状況未
回答の地区が
3,000ha程度
存在
約20倍
【表2】事業実施前後の水稲の単収の変化(赤:増加、青:低下)
内訳
(作付実績:ha)
①水田の区画整理のみ
②水田の排水改良
③水田の汎用化
主食用米 飼料用米 加工用等
(単収:kg/10a)
3,653
74
5
①水田の区画整理のみ
736
248
2
7,805
404
342
※ 飼料用米の反当たり助成単価の中央値と麦・大豆の単価の差額で単純換算
主食用米 飼料用米 加工用等
558.5
550.1
505.0
②水田の排水改良
504.6
566.6
514.0
③水田の汎用化
事業実施前
(①~③実施地区平均)
547.3
602.2
517.2
529.8
602.0
565.8
56
総
調査事案名
括
調
査
票
(19)農業農村整備事業(汎用化の効果)
②調査の視点
1.事業内容別の実施割合や事業実施後の作付動向
2.水田の汎用化の実態や畑地化との比較
(1)事業の実施状況が水稲を主とする整備に偏っていないか。畑作を主と
する基盤整備にも予算が適切に配分されているか。
(2)事業実施後の畑作物の作付は、計画どおりに実施されているか。
(1)汎用化された水田は、適切に畑作物の作付に活用されているか。
(2)水田の汎用化は、畑地化と比べ生産性向上の効果が高いと言えるか。
(3)水田の汎用化は、畑地化と比べて高コストとなっていないか。
③調査結果及びその分析
(千円/10a)
1.事業内容別の実施割合や事業実施後の作付動向
(1)事業内容別の事業費の割合等
農地整備事業の事業費の85%は①~③の水稲を主とする基盤
整備に使われており、特に「③水田の汎用化」が60%と多くを占
めている。一方で、「⑤畑地の高機能化」は15%程度であり、「④
水田の畑地化」は1%未満とほとんど実施されていない。なお、
面積ベースでは、「⑤畑地の高機能化」が40%程度(北海道の大
規模なものが多い)となるが、全体として①~③の水稲を主と
する基盤整備が多くを占めている。【図1】
また、単位面積(10a)当たりの事業費を見ると、④・⑤の
畑作を主とする基盤整備が比較的低コストとなる傾向にある
(例外的に、「①水田の区画整理のみ」は暗渠排水などの工事を
実施しないため比較的にコストが低い)。【図2】
事業面積(総計3.3万ha)
事業費(総額1,560億円)
①~③
で85%
【図1】農地整備事業①~⑤の実施状況
【図2】10a当たり事業費の地区平均
【表1】調査地区の事業実施前・計画・事業実施後の作付状況(ha)
(2)事業実施後の作付動向
事業実施後の作付動向を見ると、転作助成等の影響もあり水稲を主とする基盤整
備の①~③の全てにおいて飼料用米の作付が事業計画を超えて大幅に増加(「②水
田の排水改良」や「③水田の汎用化」での作付が多くを占める)した一方で、麦・大
豆や野菜・果樹などの畑作物の作付面積は事業計画を下回り、特に大豆や野菜・果
樹は事業実施前に比しても低下するなど、水稲から畑作物への作付転換は後退して
いる。【表1】
こうした事業実施後の作付動向について、農林水産省や事業実施主体によるフォ
ローアップはほとんど実施されておらず、事業計画と食料・農業・農村基本計画の
整合性が事業実施前に図られたのかも確認できなかったが(飼料用米の作付の事業
計画は事業実施前の約7倍)、本事業の現状としては、事業計画どおりに進んでい
ないのにもかかわらず要した本事業の費用に加えて、本事業において飼料用米の作
付が事業計画から約3倍となり471ha超過したことにより、転作助成として少なく
とも2億円の追加的な財政支出※が発生したことが確認された。
水稲
土地利用型作物
主食用米 飼料用米 加工用等
麦
大豆
飼料作物
高収益作物
野菜
果樹
その他
事業実施前
13,709
36
455 6,745 2,218
2,422 5,601
202 6,171
事業計画
13,150
254
503 7,038 2,484
2,372 6,099
197 5,962
事業実施後(※)
12,295
725
350 6,998 2,084
2,444 4,700
163 5,567
※作付状況未
回答の地区が
3,000ha程度
存在
約20倍
【表2】事業実施前後の水稲の単収の変化(赤:増加、青:低下)
内訳
(作付実績:ha)
①水田の区画整理のみ
②水田の排水改良
③水田の汎用化
主食用米 飼料用米 加工用等
(単収:kg/10a)
3,653
74
5
①水田の区画整理のみ
736
248
2
7,805
404
342
※ 飼料用米の反当たり助成単価の中央値と麦・大豆の単価の差額で単純換算
主食用米 飼料用米 加工用等
558.5
550.1
505.0
②水田の排水改良
504.6
566.6
514.0
③水田の汎用化
事業実施前
(①~③実施地区平均)
547.3
602.2
517.2
529.8
602.0
565.8
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