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予算執行調査資料 総括調査票(令和5年6月公表分) (84 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/budget_execution_audit/fy2023/sy0506/0506d.html |
出典情報 | 予算執行調査資料 総括調査票(令和5年6月公表分)(6/30)《財務省》 |
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2/2
総
調査事案名
括
調
査
票
(26)特定離島港湾施設等の維持管理
②調査の視点
1.南鳥島における特
定離島港湾施設等の維
持管理に係る実態調査
等について
南鳥島においては、関東
地方整備局の職員が現地に
常駐し、特定離島港湾施設
等の維持管理業務に従事し
ている。
そこで、施設等の維持管
理方法や現状の課題を把握
するため、関東地方整備局
を対象にアンケートを実施
するとともに、実地調査を
行った。
【調査対象年度】
令和4年度
【調査対象先数】
関東地方整備局:1先
2.離島港湾における
施設等の維持管理に係
る実態調査について
今後の特定離島港湾施設
等の維持管理の在り方につ
いての検討の参考とするた
め、離島港湾を対象に、施
設等の維持管理に係るアン
ケートを実施した。
【調査対象年度】
令和4年度
【調査対象先数】
港湾管理者:9先(30事例)
③調査結果及びその分析
1.南鳥島における特定離島港湾施設等の維持管理に係る実態調査等について
2.離島港湾における施設等の維持管理に係る実態調査について
(1)維持管理業務の概要
広大な排他的経済水域等の保全や海洋資源開発等に関する活動の拠点施設である南鳥島の特定離島港湾施
設等の管理を行うため、国土交通省においては、関東地方整備局職員2名体制で、係留施設等を巡回して目
視により点検等を行っており、点検結果等については関東地方整備局に報告がなされている。
(2)施設の現状及び課題
施設の現状について実地調査を行ったところ、事業期間の初期に整備された岸壁の一部等において、島内
で活動する重機等の輸送に伴い生じたひび割れやくぼみ等が散見された。また、平均風速約5m/s前後の風
が吹いており、かつ、岸壁が外洋に面して防波堤がないことから、波が高く岸壁に打ち付けている状況が確
認されたところ、荒天時には岸壁を越波することもある旨聴取した。
こうした本土の港湾とは異なる環境の下、万一施設が損壊して復旧工事を行うこととなった場合、本土か
ら遠く離れた南鳥島の地理的状況から、本土での実施に比して相当の時間・経費(※)を要することが想定
されるほか、代替施設もないことから各種活動に対し大きな制約を与えることとなる。
(※)船舶や作業員を構成するなどの渡島準備に数か月を要するほか、船舶による渡島自体にも片道約5
日間かかる。また、経費としても船舶の借り受けのみで数千万円程度要することが想定される。
したがって、予防保全的な維持管理が他の港湾に比してもより重要と言えるところ、事業者による点検・
修繕についても、その地理的状況から頻繁に行うことは困難であり、各種施設点検のための事業者の渡島は
年1~2回程度にとどまっている。
以上より、事業者の渡島の機会が極めて限られる中、コストを抑制しつつ適切な施設の維持管理を行って
いくためには、日常点検の段階から、常駐職員により施設の劣化・損傷状況等を可能な限り詳細かつ網羅的
に把握し、その情報を踏まえて点検・修繕すべき箇所を組織的に検討し的確な判断を行った上で、事業者の
渡島の際に必要な対応が遺漏なく一度に行われるよう措置することが不可欠である。
しかしながら、現状の通常点検は目視による巡回にとどまっており、各施設における小さな損傷等を見逃
すおそれがあるほか、水中部等目視では容易に確認できない箇所の状況把握も困難であるなど、事業者の渡
島に先立って行うべき現場での実態把握の改善が必要と認められた。
(3)新たな技術の導入等による日常点検の精度の向上
こうした現状の施設点検における課題に対し、常駐職員の増員や予算の増加を伴うことなく対応するため
には、常駐職員による日常点検の精度の向上を図り、施設の実態に関する評価が的確に行われるようにする
ことが求められる。
この点、南鳥島と同様に本土から離れた離島港湾に対し維持管理に係るアンケートを実施したところ、い
くつかの港湾管理者においては、空中ドローンや水中ドローン等の技術を活用している旨の回答があった。
ドローンについては、比較的安価であり、また、南鳥島においても島内に大幅な設備の整備を行うことな
く利用可能と考えられる。その効果としても、特に、水中ドローンについては、潜水士に委託することなく
水中部の撮影を可能とするものであり、常駐職員による実態把握に効果的と考えられ、このように、より多
角的に把握した情報を組織的に共有することにより、更なる点検・修繕の必要性やその時期等についての的
確な判断に資するものと考えられる。
④今後の改善点・検討の方向性
1.南鳥島における特定離島港湾施
設等の維持管理に係る実態調査等に
ついて
2.離島港湾における施設等の維持
管理に係る実態調査について
南鳥島における特定離島港湾施設等
については、その地理的状況から事業
者による点検・工事等を頻繁に行うこ
とが困難である中、数少ない事業者の
渡島の機会を最大限活かすため事前の
詳細な実態把握が不可欠であるところ、
現状においては、常駐職員が施設を巡
回し目視で確認する手法にとどまって
おり、改善が必要と認められる。
そのため、他の離島港湾での実例も
踏まえ、新たな技術を活用するなどし
て、常駐職員による日常点検の精度の
向上を図るべき。特に、水中ドローン
については、目視で確認困難な水中部
について潜水士を渡島させることなく
点検を可能とするものであり、優先順
位が高いと考えられるが、国土交通省
としても、導入効果やコストを検証し、
より効果的な方法を検討すべき。
空中ドローンによる撮影
水中ドローン
(参考)ドローンの活用事例
82
総
調査事案名
括
調
査
票
(26)特定離島港湾施設等の維持管理
②調査の視点
1.南鳥島における特
定離島港湾施設等の維
持管理に係る実態調査
等について
南鳥島においては、関東
地方整備局の職員が現地に
常駐し、特定離島港湾施設
等の維持管理業務に従事し
ている。
そこで、施設等の維持管
理方法や現状の課題を把握
するため、関東地方整備局
を対象にアンケートを実施
するとともに、実地調査を
行った。
【調査対象年度】
令和4年度
【調査対象先数】
関東地方整備局:1先
2.離島港湾における
施設等の維持管理に係
る実態調査について
今後の特定離島港湾施設
等の維持管理の在り方につ
いての検討の参考とするた
め、離島港湾を対象に、施
設等の維持管理に係るアン
ケートを実施した。
【調査対象年度】
令和4年度
【調査対象先数】
港湾管理者:9先(30事例)
③調査結果及びその分析
1.南鳥島における特定離島港湾施設等の維持管理に係る実態調査等について
2.離島港湾における施設等の維持管理に係る実態調査について
(1)維持管理業務の概要
広大な排他的経済水域等の保全や海洋資源開発等に関する活動の拠点施設である南鳥島の特定離島港湾施
設等の管理を行うため、国土交通省においては、関東地方整備局職員2名体制で、係留施設等を巡回して目
視により点検等を行っており、点検結果等については関東地方整備局に報告がなされている。
(2)施設の現状及び課題
施設の現状について実地調査を行ったところ、事業期間の初期に整備された岸壁の一部等において、島内
で活動する重機等の輸送に伴い生じたひび割れやくぼみ等が散見された。また、平均風速約5m/s前後の風
が吹いており、かつ、岸壁が外洋に面して防波堤がないことから、波が高く岸壁に打ち付けている状況が確
認されたところ、荒天時には岸壁を越波することもある旨聴取した。
こうした本土の港湾とは異なる環境の下、万一施設が損壊して復旧工事を行うこととなった場合、本土か
ら遠く離れた南鳥島の地理的状況から、本土での実施に比して相当の時間・経費(※)を要することが想定
されるほか、代替施設もないことから各種活動に対し大きな制約を与えることとなる。
(※)船舶や作業員を構成するなどの渡島準備に数か月を要するほか、船舶による渡島自体にも片道約5
日間かかる。また、経費としても船舶の借り受けのみで数千万円程度要することが想定される。
したがって、予防保全的な維持管理が他の港湾に比してもより重要と言えるところ、事業者による点検・
修繕についても、その地理的状況から頻繁に行うことは困難であり、各種施設点検のための事業者の渡島は
年1~2回程度にとどまっている。
以上より、事業者の渡島の機会が極めて限られる中、コストを抑制しつつ適切な施設の維持管理を行って
いくためには、日常点検の段階から、常駐職員により施設の劣化・損傷状況等を可能な限り詳細かつ網羅的
に把握し、その情報を踏まえて点検・修繕すべき箇所を組織的に検討し的確な判断を行った上で、事業者の
渡島の際に必要な対応が遺漏なく一度に行われるよう措置することが不可欠である。
しかしながら、現状の通常点検は目視による巡回にとどまっており、各施設における小さな損傷等を見逃
すおそれがあるほか、水中部等目視では容易に確認できない箇所の状況把握も困難であるなど、事業者の渡
島に先立って行うべき現場での実態把握の改善が必要と認められた。
(3)新たな技術の導入等による日常点検の精度の向上
こうした現状の施設点検における課題に対し、常駐職員の増員や予算の増加を伴うことなく対応するため
には、常駐職員による日常点検の精度の向上を図り、施設の実態に関する評価が的確に行われるようにする
ことが求められる。
この点、南鳥島と同様に本土から離れた離島港湾に対し維持管理に係るアンケートを実施したところ、い
くつかの港湾管理者においては、空中ドローンや水中ドローン等の技術を活用している旨の回答があった。
ドローンについては、比較的安価であり、また、南鳥島においても島内に大幅な設備の整備を行うことな
く利用可能と考えられる。その効果としても、特に、水中ドローンについては、潜水士に委託することなく
水中部の撮影を可能とするものであり、常駐職員による実態把握に効果的と考えられ、このように、より多
角的に把握した情報を組織的に共有することにより、更なる点検・修繕の必要性やその時期等についての的
確な判断に資するものと考えられる。
④今後の改善点・検討の方向性
1.南鳥島における特定離島港湾施
設等の維持管理に係る実態調査等に
ついて
2.離島港湾における施設等の維持
管理に係る実態調査について
南鳥島における特定離島港湾施設等
については、その地理的状況から事業
者による点検・工事等を頻繁に行うこ
とが困難である中、数少ない事業者の
渡島の機会を最大限活かすため事前の
詳細な実態把握が不可欠であるところ、
現状においては、常駐職員が施設を巡
回し目視で確認する手法にとどまって
おり、改善が必要と認められる。
そのため、他の離島港湾での実例も
踏まえ、新たな技術を活用するなどし
て、常駐職員による日常点検の精度の
向上を図るべき。特に、水中ドローン
については、目視で確認困難な水中部
について潜水士を渡島させることなく
点検を可能とするものであり、優先順
位が高いと考えられるが、国土交通省
としても、導入効果やコストを検証し、
より効果的な方法を検討すべき。
空中ドローンによる撮影
水中ドローン
(参考)ドローンの活用事例
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