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予算執行調査資料 総括調査票(令和5年6月公表分) (94 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/budget_execution_audit/fy2023/sy0506/0506d.html
出典情報 予算執行調査資料 総括調査票(令和5年6月公表分)(6/30)《財務省》
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調査事案名



調





(30)民間船舶の運航・管理事業
③調査結果及びその分析

④今後の改善点・検討の方向性
1.PFI船舶の平素の稼働状況
2.PFI基本方針との関係性

2.PFI基本方針との関係性
「PFI基本方針」では、PFI事業の実施により期待される成果として、「財政資金の効率的利用」、「民間の
事業機会を創出することを通じて経済の活性化に資すること」等が掲げられている。※本事業の導入決定当時の
PFI基本方針(平成25年9月20日閣議決定)でも同内容が掲げられていた。

「財政資金の効率的利用」については、10年間で250億円を投じる事業であり、平時における自衛隊訓練等
での活用も期待されるものであるが、前掲1.の【表1】、【表2】で示したとおり、自衛隊訓練での利用率
はナッチャンWorldが3.8%、はくおうが3.5%となっている。
また、「民間の事業機会を創出することを通じて経済の活性化に資すること」については、「民間収益事
業」での利用率はナッチャンWorldが3.6%、はくおうが1.1%であり、両船舶とも令和2年度以降の実績はな
かった。
3.運用パターン別取組状況
船舶の運搬用途を「自衛隊利用」と「自衛隊以外の利用」の2種類とし、そのうち後者については運搬対象を「ヒト」ま
たは「貨物」に類型化した上で、PFI船舶の運営事業者へのヒアリングも含め取組状況を調査した。
調査結果は【表3】のとおりであり、PFI船舶の事業目的に馴染む自衛隊訓練での利用について見ると、 PFI船舶の利用実
績は船体規模や燃料の面から限定的であり、代わりに民間船をチャーターして利用しているという状況であった。

【表3】









自衛隊以外の利用
・民間収益事業の売上の内訳は下記のとおりであり、米軍
輸送が総売上の7割を占めている。
・営業活動はHP等で実施しているが、問合せを受けても、
燃料費等のコストが割高で実現に至らないケースも見られ
た。
・コロナの影響により、両船舶とも令和2年度以降民間収
益事業の実績はない。

ナッチャンWorld
総売り上げ




自衛隊利用

2.1億円

はくおう
総売り上げ

2.6億円

米軍輸送

1.5億円

米軍輸送

1.8億円

イベント等

0.6億円

イベント等

0.8億円

・両船舶とも運営業者による営業活動実績なし。
・運営事業者によると、貨物航路は定期航路が前提で
あり、スポット需要の取込みは困難との意見。

・船舶(PFI船舶以外も含む)を利用した海上輸
送を伴う自衛隊訓練のうち、72%はPFI船舶を利
用しているが、27%はPFI船舶や自衛隊保有艦船
とは別に民間船をチャーターして利用(平成28
年度から令和4年度末までの所要経費は約3億
円)。
・PFI船舶の利用が限定的となる要因は、次の点
である。
① 船体:自衛隊訓練での所要と比して大型であ
ることから、用途が限定的となる。
② 燃料:PFI船舶を利用するための燃料として、
護衛艦用とは別に燃料費を調達する必要がある
が、訓練ニーズを充足できる水準を確保できて
いない。
・自治体から国民保護を想定した訓練使用の引
き合いもあったが、コスト面(燃料費)から自
治体側で利用を断念したケースもある(自治体
訓練での利用実績はなかった)。

PFI船舶は、維持整備や船員確保の面
でコスト優位性はある一方、自衛隊によ
る利用及び民間収益事業による利用率が
両船舶とも1割以下の状況にある。した
がって、財政資金の効率的利用に向けて、
平素においても活用できる用途があれば、
積極的に活用すべき。
現在の「防衛力整備計画」ではPFI船
舶の確保が掲げられているが、確保に際
しては、必ずしもPFI手法の導入ありき
ではなく、例えば、中古船舶の供給状況
等も踏まえつつ、中古船舶を買い上げた
場合との経費効率の比較や、PFI方式と
する場合でも契約内容の見直しも含め、
有効活用の方策を検討すべき。

3.運用パターン別取組状況
(現行船舶)
自衛隊訓練や米軍輸送の需要を取り
込み、PFI船舶を積極的に活用すべき。
特に自衛隊訓練については、護衛艦
用とPFI船舶用の燃料の調達バランスを
再考し、PFI船舶をより自衛隊訓練で活
用できるようにすべき。
(防衛力整備計画での確保予定船舶)
現在の「防衛力整備計画」では、PFI
船舶の確保が掲げられているが、確保
に際しては、有事における利用に加え、
① 自衛隊訓練での利用
② 民間収益事業(例:定期航路による
貨物運搬、自治体訓練での利用)
を柱とした有効活用に向けた方策の検
討や中古船舶を買い上げた場合との経
費効率の比較を前提とすべき。

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