厚生労働省 行政事業レビュー(公開プロセス)令和6年6月 17 日 (131 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/jigyo_shiwake/dl/r06_zentai_day1.pdf |
出典情報 | 厚生労働省 行政事業レビュー(公開プロセス)(6/17)《厚生労働省》 |
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見直しの方向性②-1(短期アウトカムの設定)
⚫ 薬物事犯者における薬物の再乱用を防止する上では、再乱用防止対策事業における支援の対象者に対し、支援者の状況や、支援
を受ける地域の社会資源等を考慮した上で、継続的、かつ、きめ細やかな支援を行う必要がある。当該事業の短期的な成果とい
う観点からは、支援を行った個人に着目し、断薬プログラム等をはじめとした支援プログラム(標準期間:2年間)の満了又は
支援対象者の希望に添った社会資源(ダルク・医療機関等)への引き継ぎ等により支援の目的を達成しているか否か(※)につ
いて評価を行うことが妥当と考えられる。
※ 評価指標としては、支援の目的の達成には様々なケースが考えられ、事例ごとに判断が必要になるなど複雑になる可能性がある
ことから、それを裏返して、未達成のまま支援を終了した割合である「脱落率」により評価する方が適していると考えられる。
本事業の短期アウトカム(成果指標)は、「支援対象者の再乱用防止対策事業からの脱落率」への変更を検討する。
見直しの方向性②-2(長期アウトカムの設定)
⚫ 本事業の継続的な実施の成果としては、薬物事犯者への再乱用防止の支援により、薬物事犯の再犯者率の低下への寄与が期待さ
れるため、直接的には、再犯者数や再犯者率の推移による評価が理想と考えられる。
⚫ しかし、薬物の再乱用防止に関する取組が奏功しているか否かは、薬物事犯者の置かれている環境等の他律的な要素による影響
や、本事業のみならず他の関係機関等の取り組みと併せて総合的に評価する必要がある。このため、本事業による長期的な成果
を、何らかの指標を用いて評価することは困難である。
⚫ 他方、薬物の再乱用防止に関する取組については、薬物事犯者への個別対応のみではなく、薬物相談を担う関係者や一般国民の
薬物に対する意識・知識の向上を通し、地域の社会資源が連携した包括的な対策を講じることも重要。このため、再乱用防止対
策講習会により、薬物事犯者等に接する機会の多い関係者を中心とした情報共有等を進めることも包括的な対策に繋がると考え
られる。
薬物再乱用防止対策の効果は、他の取組と総合的に評価する必要があり、対象者もそれぞれ異なることから、本事業単独
での再乱用防止対策の効果について定量的に評価を行うことは困難である。このため、本事業において薬物事犯者に対する
個別プログラムや、講習会を引き続き実施することにより、現行のアウトカム指標を一部修正し「薬物相談を担う職員や支
援対象者を含む一般国民の薬物依存症に対する意識・知識の向上」に向けて取り組んでいくこととしたい。
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