介護予防・日常生活支援総合事業の活性化に向けた自治体支援ツール(支援パッケージ)の構築に係る調査研究 ハンドブック(市町村の支援者向け) (105 ページ)
出典
公開元URL | https://www.jmar.co.jp/job/public/llg.html |
出典情報 | 介護予防・日常生活支援総合事業の活性化に向けた自治体支援ツール(支援パッケージ)の構築に係る調査研究(5/15)《日本能率協会総合研究所》 |
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サービスAと従前相当の違いをどう捉えたら良いでしょうか?
民間活用 サービス
基本的事項
従前相当サービスとの違いを理解しましょう
従前相当サービスは国の一律基準での実施ですが、サービスAは、各保険者の権限で設定・実施ができますの
で、各地域の状況に応じて考えていくことが求められます。
大事な視点
従前相当サービスとは
国が一定の基準や報酬の目安を示しており、それに基づき、保険者が人員基準や面積・施設の設
備など従うべき一定のルールの元、事業展開する必要があります。
また、介護予防・日常生活支援総合事業における通所型・訪問型の従前相当サービスを提供する
事業所として保険者からの指定を受けている必要があります。
サービス提供する内容も概ね定められており、創意工夫を図ることは可能ですが、事業所外での
作業が中心などという特例的な対応は難しい一面があります。
サービスAとは
全国一律のサービス内容・基準・報酬等で成り立っている従前相当のサービスとは異なり、多様
なサービス内容・独自の人員基準・適切な報酬設定が可能となります。必ずしも介護事業所の指
定がなくても事業を行うことが可能であるため、多様な主体が参画できる機会があります。
地域特性に応じて、虚弱な高齢者が最も士気を高められる内容を盛り込んだ通所・訪問型サービ
スAの構築が可能となるため、対象者像の選定や事業内容の組み立て次第では、自立支援・重度化
防止につながる独自サービスを作ることができます。
また、従前相当サービスや短期集中予防サービスでは、定期的にサービスを受ける必要がありま
すが、サービスAにおいては、定期的でなくても例えば月に1回の支援を受ければ今まで通りの生
活が送れるような人にもサービス提供が可能です。専門性の高いサービスは不要だが、ちょっと
した生活の支援があれば過ごせる人には最適なサービスと言えます。
地域の産業など社会資源を上手く活用しましょう
第1次産業で農作業をひたすら頑張ってきたAさんが、第一線を退いた場合、一気に老化が進むことがあります。そ
のような人は地域の産業との連携により、農作業に関わり、体を上手に動かすことやメンテナンスをうまく受けるこ
とで、やりがい・生きがいを感じることにつながっていきます。その他、長時間のリハビリや運動は苦手でも、自分
のタイミングで専門職に運動を見てもらい、自身に応じたプログラムを提供いただくことで、セルフケアも継続でき、
身体機能の向上につながるような支援もサービスAで構築できます。そのためには、多様な主体とのコラボレーショ
ンを考える視点が欠かせません。
また、介護サービスの指定区域外での運動プログラムを、民間施設を活用して行うことも可能です。例えば大型スー
パー等の空きスペースを活用し、通所型サービスAを展開します。要支援者等なら、フラットな場所で買い物カート
を押して、自身で衣類や総菜、野菜や肉・魚、生活用品などを購入して帰ることができるようになり、調理意欲がわ
くことで自立支援・重度化防止にもつながります。
その人の状態にあわせた柔軟なサービスを組み立てましょう
Bさんは、週に1回の清掃活動をボランティアで長年続けてきましたが、腰痛が悪化し、自宅の掃除も難しくなり、
最近ではボランティア活動も休みがちになっていました。そのことを心配した地域包括支援センターが、Bさんと面
談し意向を確認すると、ボランティア活動は継続したいとのことでした。そこでBさんには、しばらく民間の家事代
行サービス事業者の訪問型サービスAを月に2回利用することと、基準緩和のリハビリ特化型デイで短期間運動する
ことをお勧めし、腰部周囲の筋力向上とセルフケアの推進を提案しました。その結果、3ヶ月後には元の生活に戻る
ことができました。
このようにA型サービスは、柔軟にサービスの頻度や内容を選定できるため、毎週必ず訪問介護を利用する必要がな
い場合にも、とても勧めやすいサービスです。
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