介護予防・日常生活支援総合事業の活性化に向けた自治体支援ツール(支援パッケージ)の構築に係る調査研究 ハンドブック(市町村の支援者向け) (123 ページ)
出典
公開元URL | https://www.jmar.co.jp/job/public/llg.html |
出典情報 | 介護予防・日常生活支援総合事業の活性化に向けた自治体支援ツール(支援パッケージ)の構築に係る調査研究(5/15)《日本能率協会総合研究所》 |
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住民主体を引き出すためにはどうしたらよいでしょうか?
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よくある質問
住民のこころを動かすためにどのような仕掛けをしていますか?
特定の人たちにお願いして活動を進めていませんか? 「わがまちをもっと良い地域にしていきたい」
「子どもたち、孫たちのために尽力したい」という思いのある住民はどの地域に必ずいます。そのような住民
を見つけ出し、力も借りながら主体的な地域づくりを推進するには仕掛けが必要です。どのように仕掛けてい
けばよいでしょうか。
⚫ これまでの行政主導の取組から、多くの住民は「やらされ感」でいっぱいです。そこで、「いつもの
人」ではなく広く住民に働きかけて「心を動かす」多様な仕掛けが必要です。
⚫ その仕掛のポイントはまず、市町村が住民に向けて、人口減少が進むこれからの厳しい現状(人材難、
財源難)についてデータもうまく駆使し伝えながら、本気で「住民の力が必要」とまちの姿勢を見せる
ことが大切です。
⚫ 次に、身近な地域で住民ワークショップを重ねることも本音が出しやすい関係が生まれ、一緒に行動し
ようという主体的な活動に結びつきます。上から目線では住民は動きません。
⚫ ポイントは住民目線であり、住民の声や力をいかすことです。例えば、フォーラムの開催には市町村の
広報やホームページでの周知だけでなく、協議体メンバーなど地域に信頼と多様な人脈を持つ住民の知
恵や力をいかして周知すると多くの参加につながります。
⚫ また、事例紹介に住民に発表してもらい「生の声や思い」を発表してもらうことは、住民の心に刺さり、
新たな参加につながります。また、フォーラムや広報などでそそのような住民の声や力をいかした仕掛
けは住民たちのモチベーションアップにもつながります。
実施に向けて持つべき視点
住民主体ならではの多様性・柔軟性を尊重した関わり方とは?
■ 要支援者以外がいてもB型で、高齢者以外がいても一般介護予防事業で、補助できる
ガイドラインの改定版によれば、対象者の半数以上が要支援者・基本チェックリスト該当者であれば運営費全体の補助が可能、
半数を下回る場合も按分等、市町村が合理的と考える方法により補助が可能であり、要綱の中で対象者を限定する必要はない。
■ B型の要綱で定める補助の要件が、活動の妨げにならないよう留意する
要綱では、補助対象となる活動内容を定めればよく、団体がそれ以外の活動を追加して実施している場合に、そのことを理由に
補助対象から除外されることは望ましくない。例えば、要綱の中で活動頻度を「週2回」と定めた場合に、毎日活動している団体が
要件を満たすために活動回数を減らすことがないよう留意する必要がある。
■ 生活支援コーディネーター(SC)が「住民ニーズ」と「担い手の意向」を把握できるようバックアップする
生活支援コーディネーター(SC)が着任して、いきなりこれらの把握を行うのはハードルが高い。行政のバックアップとして、
地域訪問への同行、住民勉強会の開催、各種調査結果のデータ提供のほか、地域ケア会議への出席を求めていくことも重要である。
■ 住民ニーズの把握と担い手の確保を同時に行う「住民ワークショップ」をやってみる
「住民ワークショップ」は、複数人が集まって発言することで本音を引き出しやすく、また、目の前に困っている人がいることで
担い手が生まれやすい。助け合いへの関心が強い人から第2層の協議体メンバーを選出し、その中でリードできる人を
第2層生活支援コーディネーター(SC)にしていく方法もある。
■ 助け合いを活用するには、「その人らしい生活」の観点からケアマネジメントを見直す
いきがいを持ち続けるには、何らかの役割を果たしたり、人とのつながりを維持することが重要で、助け合いはまさにその役割を果たして
いる。したがって、ケアマネジメントの中で助け合いを活用するには、「その人らしい生活」の観点からアセスメントが必要である。
■ 助け合い活動と専門職によるサービスをつないで両者の利点を生かす
B型の団体の活動は、基本チェックリストや介護予防ケアマネジメントを受けている人しか利用できないというのは誤解。
ニーズを持つ住民を見つけて、そのまま支援につなげるのは、まさに住民主体の強みを活かしたアプローチである。
また、活動の中で、専門的な支援を必要とする人が出てくれば介護保険などのサービスにつなぐことも重要。
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