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令和6年度予算の編成等に関する建議 本文 (103 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20231120/zaiseia20231120.html
出典情報 令和6年度予算の編成等に関する建議(11/20)《財務省》
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6.社会資本整備

近年、我が国の公共事業関係費は、防災・減災、国土強靱化への対応等
のため、予算規模は増加傾向にある。その一方で、これまで長期にわたり
国際的に高い水準の公共投資を行ってきた結果、社会資本の水準は大幅
に向上している。また、防災・減災、国土強靱化に向けて、ハード整備だ
けではなく、ソフト対策と一体で実施することにより、以前と比べて大雨
等による被害が相当程度低減するなど成果を出してきたと言える。
加えて、近年は建設投資額が増加を続ける一方で建設技能者数は減少
傾向が続いており、労働需給は逼迫している。その中で公共投資を増やせ
ば、民間投資を抑制しかねないことにも留意が必要である。こうした様々
な状況をよく踏まえながら、今後の公共投資の適切な規模を見極めてい
く必要がある。
また、今後のハード整備は、急速に進む人口減少等の変化を見据え、将
来世代にも確実に受益が及ぶ事業に重点化していくことや、災害リスク
エリアに新築を促さない仕組み・規制や実効的なコンパクトシティ政策
等と組み合わせることで、防災・減災効果をより効率的に高めていくこと
が重要となる。
さらには、地域公共交通の課題にも目を向けなければならない。地域公
共交通は、特にコロナ禍における利用者数の減少等により、国による赤字
バス路線等への欠損補助が増大している。公共交通は利用者からの料金
収入により運営されることが基本となるが、地域の選択として、収益性が
見込めなくとも公共交通を維持するのであれば、まず地域の自治体が利
用促進や経営改善等に主体的に取り組むべきである。加えて、地域公共交
通とまちづくりとの一体的な検討も欠かせない。
以上を踏まえ、今後の社会資本整備は、分野の縦割りや地域の縦割りを
超えて、国の在り方全体を見据えた国土形成に関するグランドデザイン
を描いていく中で、アウトカム目標を設定しつつ進めることが肝要であ
る。

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