令和6年度予算の編成等に関する建議 本文 (114 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20231120/zaiseia20231120.html |
出典情報 | 令和6年度予算の編成等に関する建議(11/20)《財務省》 |
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見直し等の適正化に取り組んでいくべきである。その際には、年による変
動はあるものの、水活交付金等の交付金が受けられることにより、生産者
の所得が主食用米に比べて転作作物の方が高くなっているケースがある
ことにも留意する必要がある。
〔資料Ⅱ-7-3参照〕
イ)小麦・大豆の生産性向上に向けた取組
食料安全保障を強化する観点からは、小麦や大豆等の輸入に依存して
いる穀物の国内生産力を高めていくことが重要である。我が国の小麦や
大豆の生産性(単収)136の推移を見ると、過去 20 年間においては我が国
の単収は低い水準に停滞しており、特に大豆についてはむしろ単収が減
少している状況にある。
こうした状況になっている背景としては、水田作に比べて畑作の方が
単収が多く、かつ生産コストも低いといった優位性があるにもかかわら
ず、小麦・大豆を水田において転作することにより水活交付金が交付され
ることから、小麦では全体の作付面積の5割超、大豆に至っては約8割が
水田で作付されていること、また、現行の水活交付金については、収量の
多寡に関わらず作付面積に応じて交付金が交付137されることになるため、
生産性向上を推進する仕組みとなっていないことも一因となっていると
考えられる。
限られた農地を有効的に活用して生産性を高める観点から、畑地化を
促進しつつ、水田において小麦や大豆を生産する場合には交付対象の単
収に基準を設けるなど、生産性向上に重点を置いた仕組みとするなど水
活交付金の見直しを考えるべきである。
〔資料Ⅱ-7-4参照〕
② 農業生産を支えるセーフティネットの現状と課題
ア)セーフティネット制度の全体像
農業者に対して、生産性の向上や高収益作物への転換等の積極的な取
組を促すに当たっては、自然災害や価格下落等の様々なリスクにとらわ
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一定面積(一般的には 10a)当たりの収穫量のことを指す。
小麦・大豆については 10a 当たり 3.5 万円と一律の交付金単価が設定されている。
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