令和6年度予算の編成等に関する建議 本文 (93 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20231120/zaiseia20231120.html |
出典情報 | 令和6年度予算の編成等に関する建議(11/20)《財務省》 |
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しかしながら、現実には、まず無償資金協力予算については、個別のプ
ロジェクトの遅延・中断等の積み重ねの結果、予算措置したにもかかわら
ず未使用のまま JICA(国際協力機構)に滞留している ODA 資金が 1,650
億円(令和4年度(2022 年度)末)121と、なお1年間の無償資金協力予
算(令和5年度当初予算:1,634 億円)を上回る規模に達している。また、
JICA 運営費交付金(技術協力予算)についても、前年度からの繰越額は
縮小傾向にあるものの、各年度の当初予算措置額と繰越額を合わせて見
ると、執行額を大きく上回る規模に達している状況が継続している。外務
省及び JICA では、無償資金協力・技術協力ともに、足元では早期執行に
向けた取組を続けているものの、進捗の見通しが立たない案件の精査も
含め、引き続き、年度ごとの執行能力も勘案しつつ、資金を新規予算と一
〔資料Ⅱ
体として捉え有効活用する取組を一層進めていくべきである122。
-4-11 参照〕
なお、これからの開発協力に際しては、ODA 自体の見直しに加え、民
間資金や ODA 以外の公的資金と連携を図った取組を進めていくことも
重要である。上述のとおり、現在では、グローバル化の進展に伴い、途上
国に対しては ODA(公的資金)を大きく上回る量の民間資金が流入して
いる。これらの民間資金は ODA 以外の公的資金と連携することにより、
ODA 単独の金額の何倍ものインパクトを産み出し、開発協力の効果を増
大させることが可能となるものである123。民間資金の重要性が高まる現
代においては、民間資金等との効果的な連携案件を組成することが、外交
上のインパクトの観点からもますます重要であるといえよう。
〔資料Ⅱ-
4-12 参照〕
令和5年(2023 年)3月 28 日に閣議決定されたウクライナ支援案件(予備費)分 531 億円
を除く。なお、当該資金は同年5月に JICA から既に支払い済み。
122 JICA の役割について、民間が主役とはいえ、JICA の取り組んできた草の根的な活動や、現
地政府・NGO/NPO とのネットワークの維持・拡大は、日本企業が活動するためのベース、つま
り、日本に対する信頼感や期待値のベースになっている、との意見があった。
123 具体的には、カンボジアにおいて、ODA(JICA による海外投融資)に医療関連企業等の出
資を組み合わせ、現地に日本式の病院を設立した事例、ベトナムにおいて、JICA 事業を契機に
海外進出した日本企業に対して民間銀行等が出資を行い、現地に工場が設立された事例が挙げら
れる。
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