令和6年度予算の編成等に関する建議 本文 (89 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20231120/zaiseia20231120.html |
出典情報 | 令和6年度予算の編成等に関する建議(11/20)《財務省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
こうした厳しい国際情勢に機動的かつ的確に対応していくため、我が
国の外交政策上の主要なツールである ODA(政府開発援助)についても、
見直しが図られている。
令和5年(2023 年)6月に閣議決定された新たな開発協力大綱109では、
開発協力が国民の税金を原資とする点や開発協力が上記の目的を果たす
上でいかなる効果を上げたかという点を強く意識しつつ、我が国 ODA に
ついて、複合的危機に直面する国際社会において、平和で安定した国際社
会の形成とともに国益の実現にも貢献するため、一層効果的・戦略的に活
用するという方針が掲げられている。
また、具体的な実施面においては、ODA に係る幅広い資金源の拡大を
推進する観点から、民間企業や公的金融機関等の様々な主体との連携を
強化することや、相手国からの要請を待つだけでなく、日本の強みを活か
した魅力的なメニューを作り、積極的に提案していく「オファー型協力」
を強化すること等とされている110。
今後我が国が外交を進めていく上でも強力なツールとなる ODA の効
果を最大限発揮させるためにも、新たな開発協力大綱に記載された方針
を具体化し、数値による緻密な効果分析やデータの活用、オファー型協力
等を通した効果的な支援が期待される。
さらに、ODA とは別に、我が国にとってより望ましい安全保障環境を
創出するため、国家安全保障戦略(令和4年(2022 年)12 月 16 日閣議
決定)に基づき、同志国の安全保障上の能力・抑止力の向上を目的とした
OSA(政府安全保障能力強化支援)111の枠組みが導入された。その本格的
な運用がまさに開始されたところであるが、外交戦略上重点化されてい
る我が国の安全保障に直結した外交ツールであり、ODA と相乗効果を図
りつつ、一体的に活用していくことが期待される。
〔資料Ⅱ-4-4、5
109
「開発協力大綱~自由で開かれた世界の持続可能な発展に向けた日本の貢献~」
(令和5年
(2023 年)6月9日閣議決定)
110「オファー型協力」の強化に当たっては、特に、医療・保健、ウェルビーイング、感染症、環
境・気候変動、防災等の分野を対象に、よりリソースを投入することが重要である、との意見が
あった。
111 Official Security Assistance の略。
- 77 -