提案書20(3802頁~4000頁) (57 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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予後等のアウトカム
成人発症スティル病は発熱、関節症状、皮疹を伴う病因不明の指定難病であり、アクテムラは国内のプラセボ対照二重盲検比較試験により成人発
症スティル病の疾患活動性の抑制効果およびステロイドの漸減効果が認められ(①Kaneko Y, et al. : Ann Rheum Dis : 77(12), 1720
(2018))、2019年5月に適応取得している。一方で、上記の臨床試験において、二重盲検期にInfusion reaction23.1%(3/13例)、オープンラ
ベル期にInfusion reaction 18.5%(5/27例)、アナフィラキシーショック3.7%(1/27例)が発現しており、安全に投与する上で専門スタッフ
及び設備を有する外来化学療法室等の利用が必要になる。本剤保険適用の関節リウマチ等は外来化学療法加算2を取得済みであり、同じリウマチ
性疾患であり治療抵抗例に対する使用がガイドラインでも推奨されている成人スチル病も外来化学療法加算対象疾患であると考える。
ガイドライン等での位置づけ
成人スチル病診療ガイドライン 2017年版 [2023年Update](厚生労働科学研究費補助金
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す 難治性疾患等政策研究事業 自己免疫疾患に関する調査研究班)において、『治療抵抗性
る。)
ASDに対して、IL-6阻害薬と免疫抑制剤はどちらも有用な選択肢として提案する』として推
奨されている。
③再評価の根
拠・有効性
④普及性の変化
※下記のように推定した根拠
年間対象者数の
変化
年間実施回数の
変化等
見直し前の症例数(人)
350
見直し後の症例数(人)
420
見直し前の回数(回)
9,100
見直し後の回数(回)
10,920
⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
Medical Data Vision Co., Ltd. (MDV) のレセプト・データを使用した研究(②Kaneko Y, et al. ACR2022 convergence #0826)において、アク
テムラの投与例数は承認前の2019年時(213例)と比較して2021年時(350例)では増加していたことから、安全対策が充実すればさらに増加する
と想定される。
日本では2008年より関節リウマチをはじめとした様々な疾患に使用されてきており、全例調査による安全性情報が蓄積されており、各学会におい
て、関節リウマチや大型血管炎などの様々な自己免疫疾患に対する生物学的製剤として推奨されている。ヒト化されているがモノクローナル抗体
であり、安全な投与には一定の専門性を要する。
施設の要件
適応患者は、リウマチ科、膠原病科主体に受診していると考えられるが、これらの科においては、関節リウマチや各種膠原病に対する抗体製剤を
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 使用していることから、既に外来化学療法室を有している。
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 本治療において必要な人員は他の化学療法で必要な人員を通常上回ることはなく、既存の人員で十分である。
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 自己免疫疾患に関する調査研究班、成人スチル病診療ガイドライン 2017年版 [2023年Update]
要件)
⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
関節リウマチの全例調査(アクテムラ点滴静注用80mg, 200mg, 400mg 全例調査の最終報告)において、重篤感染症3.6%(284/7,901例)、消化
管穿孔0.1%(11/7,901 例)、 などの発現が認められた。成人発症スティル病においては(①参照)、重篤な有害事象は25.9%(7/27例、蜂巣炎、
アナフィラキシーショック、肺炎など)に認められた。
⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
外来化学療法に関しては入院したほうがより安全という議論はありうるが、外来化学療法室で専門チームが診療に当たることにより、その差異は
他のメリットも考えると問題にならないと考える。
⑧点数等見直し
の場合
見直し前
見直し後
その根拠
0
0
点数等見直しはない
区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)
特になし
その他(右欄に記載。)
番号
技術名
特になし
特になし
具体的な内容
特になし
減(-)
プラスマイナス
⑩予想影響額
予想影響額(円)
436,968,000円
その根拠
研究②において2021年時350人であった患者数が同様の増加傾向を示し、420人使用された場合を想定して試算する。
アクテムラの年間投与回数が2週間隔投与で26回の場合、外来化学療法加算1-B(430点)で試算すると、420人×4,300円×12回/年=21,672,000円
増となる。逆に外来化学療法加算が承認されないため、毎回一泊二日入院すると試算すると約42,000円必要になるので42,000円×420人×26回/年
=458,640,000円減となる。上記より、全体としては21,672,000円ー458,640,000円=436,968,000円減となる。
備考
成人発症スティル病は国内患者数4,760人、有病率は10万人あたり3.9人と推定されている(③Asanuma YF, et al. : Mod Rheumatol:25
(3),393(2015))。その内、ステロイド抵抗性の重症例がアクテムラの投与対象症例となる。
⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬
アクテムラ点滴静注用80mg/200mg/400mg
⑫その他
なし
⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等
なし
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