概要図書式

提案番号(6桁)

申請技術名

申請学会名

730201

血清セレン測定（検査 D007 血液化学検査）

日本臨床栄養学会

【技術の概要】

セレンは様々なセレン含有蛋白質の作
用を介し多彩な生体機能を有している。
抗酸化作用
甲状腺機能

抗腫瘍効果
心機能、筋力

セレンの欠乏によりさまざま
な症状が引き起こされる。
【対象疾患】

セレン欠乏症を診断し、補充する必要あり。
セレン欠乏症の診療指針が2015年提唱された。
2014年血清セレン測定が保険収載された。
令和2年3月5日付 保医発0305第1号
D007 血液学的検査 38 セレン 144点
低セレン血症治療剤の薬価収載（2019年5月)
低セレン血症治療剤「アセレンド注100µg」 【効能・効果】低セレン血症
【用法･用量に関連する使用上の注意（抜粋）】
本剤投与開始時及び用量変更時には、血清セレン濃度の確認を行うこと。

令和2年3月5日付 保医発0305第1号 D007 血液学的検査 38 セレン 144点
長期静脈栄養管理若しくは長期成分栄養剤を用いた経腸栄養管理を受けている患者、人工乳若
しくは特殊ミルクを使用している小児患者又は重症心身障害児（者）に対して、診察及び他の
検査の結果からセレン欠乏症が疑われる場合の診断及び診断後の経過観察を目的として実施し
た場合に限り算定する。

上記以外で低セレン血症が認められている患者群が多数あり。

透析患者（ 約6万人）、拡張型心筋症（ 約1.4万人）、神経性食欲不振症（約5,000人）など
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特に慢性維持透析患者に関しては、国内外のコホート研究で血清セレン低値は生命予後、
感染症罹患率、入院と関連することが示されている。
透析患者のCOVID‐19致死率は一般人口の10倍で、低セレン血症とCOVID-19感染症と関連
が指摘されている。
透析施設を対象にした調査ではセレン欠乏症を疑われても検査されない透析患者の存在
とその理由に保険適応がないことが明らかになった。

本邦の透析患者35万人のうち「セレン欠乏症の診療指針」をもとにセレン欠乏症
が疑われる患者においてのみ（約17％、6万人）測定可能としたい
3891
⇒検査保険適応患者に慢性維持透析患者の追加を希望

【有効性及び診療報酬上の取扱い】

検査件数が増加（年間約2200
件）し、1,728万円の増額
しかしながら
セレン欠乏が関与する維持透析
患者の感染、心不全の入院、入
院期間の延長、死亡の抑制が可
能になる。
維持透析患者は感染、心不全に
罹患するリスクが高いので、こ
れらの医療費を削減できれば、
医療経済および患者のQOLにお
いて多大な利益をもたらす。