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参考資料3-2 令和5年度障害者虐待事案の未然防止のための調査研究一式 (61 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40742.html
出典情報 社会保障審議会 障害者部会(第141回 7/4)《厚生労働省》
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2)重篤ケースの分析
虐待が重篤化した場合、死亡事故につながるおそれもある。令和4年度「障害者虐待対
応状況調査」では、養護者による障害者虐待で発生した死亡事故は 1 件であったが、それ
以外でも重篤と考えられるケースが少なからず発生していると考えられる。そのようなケ
ースの特徴や発生要因等を探ることで、早期の発見や適切な被虐待者への支援とともに養
護者支援につなげていくことが必要である。
ここでは、令和4年度の養護者による障害者虐待として挙げられた個票データからいく
つかの指標を用いて重篤ケースにおける特徴や発生要因の分析を試みた。
なお、重篤ケースに該当するものとして、本分析では下記の該当ケースを想定した。
①やむを得ない事由による措置を適用されたケース
②成年後見制度市区町村長申立てがなされたケース
③虐待の程度が“重度”とされたケース(判断は市区町村担当職員や管理職)

①虐待類型
・やむを得ない事由による措置が適用されたケースは身体的虐待ケースの割合が最も高
いものの、非適用ケースと比較すると、放棄、放置(ネグレクト)と判断されたケー
スでのやむを得ない事由による措置適用割合が有意に高くなっていた。
・成年後見制度の市区町村長申立て適用ケースでは経済的虐待と判断されたケースが最
も多く、その割合は有意に高くなっていた。また、放棄、放置(ネグレクト)の割合
も有意に高く、逆に、身体的虐待と心理的虐待は有意に低くなっている。
・虐待程度が重度のケースは身体的虐待が多い。重度のケースと中軽度ケースの割合と
比較すると、性的虐待や心理的虐待、放棄、放置(ネグレクト)、経済的虐待ケースに
おいて重度と判定された割合が有意に高くなっていた。逆に、身体的虐待ケースは有
意に低くなっている。
表 4-10

重篤ケースの分析(虐待類型)

やむを得ない事由による措置
適用
非適用 有意差
全体
身体的虐待
性的虐待
心理的虐待
放棄、放置(ネグレクト)
経済的虐待
虐待程度が重度

件数
構成比
件数
構成比
件数
構成比
件数
構成比
件数
構成比
件数
構成比
件数

53
100%
33
62.3%
4
7.5%
22
41.5%
13
24.5%
11
20.8%
18
34.0%

2,077
100%
1,422
68.5%
63
3.0%
659
31.7%
223 **
10.7%
340
16.4%
210 ***
10.1%

市区町村長申立て
適用
非適用 有意差

83
100%
23
27.7%
3
3.6%
17
20.5%
25
30.1%
56
67.5%
27
32.5%

2,047
100%
1,432 ***
70.0%
64
3.1%
664 *
32.4%
211 ***
10.3%
295 ***
14.4%
201 ***
9.8%

構成比
※有意差:期待度数が1未満のセルがある場合、または、5未満のセルが20%以上の場合には( )で表示

58

重度

虐待の程度
中軽度 有意差

228
100%
126
55.3%
18
7.9%
69
30.3%
62
27.2%
64
28.1%

1,776
100%
1,258 ***
70.8%
41 ***
2.3%
574
32.3%
159 ***
9.0%
253 ***
14.2%