参考資料3-2 令和5年度障害者虐待事案の未然防止のための調査研究一式 (92 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40742.html |
出典情報 | 社会保障審議会 障害者部会(第141回 7/4)《厚生労働省》 |
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ローチを続けることが求められている。
しかし、市町村・都道府県手引き p.19 に記すとおり、何よりも優先すべきは「障害者の
安全確保」であることに留意が必要である。
本加工済み事例では、基幹相談支援センター、児童相談所、地域包括支援センターと連
携したチームアプローチを模索していたものの、本人の症状の急激な悪化により、他部署・
他機関によるアプローチを展開するまでに至らず、本人を目視して、状態を確認すること
ができなかった。
また、本事例では、今後の関係性を危惧し、立入調査の実施ややむを得ない事由による
措置、措置入院等は行っていないが、前述の市町村・都道府県手引きに記載されているよ
うに、
「障害者の生命や身体に関する危険性が認められる場合には、養護者等の拒否的な態
度に関わらず立入調査を含めて積極的な介入が必要」であることには留意すべきである。
もちろん、本人を目視できず、本人の状態が把握できない中で、
「どのタイミングでどの
ように介入するのか」
「本人意思との尊重のバランスをどのように諮ればよいか」を判断す
ることは難しい。それでも、本加工済み事例においては、令和 X 年 11 月 8 日の 1 回目の退
院時において、
「週に 1 回の通院での状態確認」を条件に自宅療養可能として退院している
ことから、少なくとも 11 月 11 日~12 月 10 日の間に 1 回しか通院できていない状況が判
明した段階で、
「本人の安全確保」のための立入調査権の発動を検討する必要があったと思
われる。
さらに、11 月 10 日の 1 回目の退院以降、虐待防止担当部署による訪問を行っても本人
と会えない状況が続いていたことから、
「障害者の安全確保」という目的を共有し、早い段
階から他法・他施策を巻き込んだアプローチに向けた検討も必要であったと考える。
他法・他施策を巻き込んだアプローチを行うためには、前述の市町村・都道府県手引き
等の記載を参考にするとともに、近年、実施自治体が増加している重層的支援体制整備事
業実施自治体における相談支援包括化推進員や高齢者担当部署、医療機関や保健師、警察、
学校等と一緒に、
「本人、家族にとって必要な支援は何か」という観点でアセスメントや支
援計画(虐待対応と虐待対応終了後の支援計画)の作成、役割分担を行うことが重要と考
える。
身近な地域で生活を継続できる支援を行うには、日頃から様々な支援者とのネットワー
クづくりを行っていくことが望まれる。
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