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参考資料3-2 令和5年度障害者虐待事案の未然防止のための調査研究一式 (97 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40742.html
出典情報 社会保障審議会 障害者部会(第141回 7/4)《厚生労働省》
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(2)事例から得られた他自治体にとって参考になると考えられるポイントと課題
本事例においては、障害者虐待防止法や障害者総合支援法に基づいて指導監査や権限行
使が行われた。本事例から得られた、他自治体にとって参考になると考えられるポイント
は、以下が考えられる。
【他自治体にとって参考になると考えられるポイント】
①都道府県(指導監査権限自治体)としての迅速な調整力の発揮
②支給決定自治体としての、適切な虐待対応の実施
・市町村・都道府県手引き p.108 では、「施設等の所在地と支給決定を行った市町村
が異なる場合等」の対応として、「障害者福祉施設等の所在地と当該支給決定を行
った市町村が遠方の他県である場合等は、支給決定を行った市町村が速やかに障害
者の安全確認や事実確認を行うことが困難な事態も考えられます。その場合は、
(中
略)通報を受けた市町村、障害者福祉施設等の所在地の都道府県、支給決定をした
市町村が連携し、速やかに障害者の安全確認、事実確認を行うことができるよう適
切に対応します。
」と記載されている。
・本事例では、報道により死亡事例を把握し、支給決定自治体が不明だったことから、
都道府県が主導して一連の対応を迅速に行っており、上記手引きの内容が徹底され
ていることがうかがえた(施設所在地自治体を通じた支給決定自治体の把握依頼、
(支給決定自治体把握後は)支給決定自治体への連絡、合同での事実確認調査の実
施、同時並行での庁内関係部署等に対する情報提供依頼等)

・また、支給決定自治体についても、上記手引きの内容に基づき、支給決定自治体判
明後、当該自治体において適切な虐待対応がなされていることを確認している(都
道府県と協力しての事実確認調査、虐待の判断)。
・いずれの自治体も、障害者虐待が疑われる事例に対して、各自治体が連携しながら
障害者の安全確認、事実確認を適切に実施したことが、他自治体にとって参考にな
るポイントといえる。

しかし、全体像を俯瞰的に振り返ると、以下の課題があると考えられる。
【閉鎖的な施設・事業所に対する虐待防止、虐待対応に関する課題】
①施設所在地自治体としての事実確認調査の困難さ
・本事例においては、報道による死亡事例の把握後、施設所在地自治体が報道内容の
確認への協力依頼をしたが、当該自治体の利用者がいなかったこと、任意の調査で
あることを理由に拒否されている。
・実際に、本事例に関する都道府県に対するヒアリング調査においても、通報等を受
け付けた施設所在地自治体が事実確認調査を行うことや支給決定自治体を聞き出
すことが困難であるという相談が寄せられていることを確認した。

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