参考資料3-2 令和5年度障害者虐待事案の未然防止のための調査研究一式 (93 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40742.html |
出典情報 | 社会保障審議会 障害者部会(第141回 7/4)《厚生労働省》 |
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特に上述①の取組を進めるうえで、本加工済み事例のように精神疾患のある障害者(疑
いを含む)への支援体制の構築には、日常的に医療機関(特に精神保健分野)との連携体
制の構築が重要である。
平成 27 年度から令和 4 年度にかけての養護者虐待のうち、精神障害の被虐待者の人数と、
被虐待者全体に占める精神障害の被虐待者の割合をグラフ化したものが図 6-2 である。
平成 27 年度では 534 人(全被虐待者数の 33.1%)であったものが、令和 4 年度では 924
人まで増加し、被虐待者に占める割合も 43.4%まで増加している。
(人)
1,000
900
739
(41.6%)
800
700
600
534
(33.1%)
506
(32.6%)
538
(34.3%)
597
(36.7%)
606
(36.4%)
H30
R1
836
(41.7%)
924
(43.4%)
500
400
300
200
100
0
H27
図 6-2
H28
H29
R2
R3
R4
養護者虐待における被虐待者の障害種別[精神障害]の推移
※カッコ内は被虐待者全体に占める精神障害の被虐待者の割合
本加工済み事例においても、医療機関の MSW による、市役所と会いたくない理由の聞き
取りや、本人退院時における市役所への連絡等がなされていたものの、本人や養護者(夫)
の拒否により、市役所は本人に会えないままで事例の終結を迎えてしまった。
そのため、例えば、本人との関係構築や虐待対応計画作成に向けた情報収集(市役所と
の面会拒否理由や、本人や家族の困りごと等)や、面会のきっかけづくり(本人の通院時
や行政手続きが発生した場面等で担当部署に連絡を入れてもらう)等、支援チームの一員
として協力を要請する可能性もあったと推測される。
近年では、精神保健医療福祉上のニーズを有する方が、病状の変化に応じ、保健、医療、
障害福祉・介護、居住、就労等の多様なサービスを、身近な地域で切れ目なく受けられる
ようにするための「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築に向けた取組が
進められている2。
また、令和 6 年度からは、改正精神保健福祉法により、市町村等が実施する精神保健に
関する相談支援について、精神障害者のほか精神保健に課題を抱える者も対象にできるよ
うにされた。
こうした動きを契機に、市町村では自地域での精神保健医療機関等との連携体制を見直
し、都道府県においてはバックアップ機能の構築を機に、虐待の未然防止・再発防止に向
けたさらなる連携強化に努めていくことを期待したい。
2
介護分野では、医療と介護のスムーズな連携を推進するため、あらかじめケアマネージャーの相談を受けるこ
とが可能な曜日や時間帯、相談の窓口の人、相談方法などを公表して連携の環境を整える「ケアマネタイム」の
作成を行っている。
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