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参考資料3-2 令和5年度障害者虐待事案の未然防止のための調査研究一式 (87 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40742.html
出典情報 社会保障審議会 障害者部会(第141回 7/4)《厚生労働省》
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6-2

養護者虐待に関する重篤事例対応を行った自治体に対するヒアリング調査

(1)本人や家族に支援拒否があり、介入が困難であった事例(加工済み事例)
個人、自治体名及び事例の特定を避けるよう配慮しつつ、他自治体にとって障害者虐待
対応の参考になるポイント、留意点を示すために、事務局によって加工した事例を以下に
掲載する。
■家族の状況
本人

40 代女性。夫・息子と同居。障害支援区分なし・行動障害なし・精神障害あり(統合
失調症疑い、手帳未所持)。



50 代男性。建設業勤務。出張が多く、不在が多い。

息子

高校生。不登校気味。

実母

70 代女性。腰痛。近隣に夫(本人の実父)と居住(本人の実家)。

実父

70 代男性。緑内障で歩行不安、要介護2。本人と過去にいさかいがあり、本人と

関係が悪い。

■事例の流れ
年月

概要
・病院から本人が救急搬送されたと虐待防止担当部署に連絡が入る。夫が救急要
請。救急隊が最重度の褥瘡及び栄養状態が悪く衰弱していたため事件性ありと
判断し、警察に連絡。息子は警察が保護し児童相談所(以下『児相』と称す)
令和 X 年
に連絡。
10 月 15 日
・初動対応を協議。夫による虐待疑いとして、本人への確認を行うこととする。
・病院の MSW に電話連絡し状況確認。当面 ICU に入っているため面会は難しいと
のこと。
・MSW から本人が 4 人部屋に移動になったとの連絡あり。本人に面談してよいか
令和 X 年
確認してもらうも「市役所の人とは会いたくない」と激しく拒絶とのこと。
11 月 5 日
・MSW から「時間をかけて会いたくない理由を確認する」とのこと。
・本人が息子のことと医療費を気にして、退院を申し出たと MSW より連絡。
・①現状、精神状態が不安定ではあるものの適切な服薬管理と週に 1 回の通院で
の状態確認(褥瘡等の処置)ができるのであれば自宅療養が可能なこと、②夫
令和 X 年
も自宅で支援するという強い意思表示をしたことから、通院先のクリニック
11 月 8 日
(市外)を紹介し、翌朝、退院となる。
・MSW によると、以前、息子のことで市役所職員とトラブルになったことがある
とのことで拒否感があるのではないかと連絡あり。また、医療機関に対しても
不信感をもっている模様とのこと。
・午後、虐待防止担当部署職員、保健センター保健師で訪問。呼び鈴を鳴らして
令和 X 年
も反応なし。手紙と名刺を投函。
11 月 9 日
・夕刻、虐待防止担当部署職員が部屋の電気がついていることを外から確認。
・虐待防止担当部署管理職、同職員、保健師、基幹相談支援センター職員による
令和 X 年
コア会議を開催。状況の共有、今後の方針を検討。
11 月 10 日
・虐待防止担当職員と基幹相談支援センター職員で自宅訪問を続け、面談する機
会を探ることとする。
・時間帯を変えながら 3 日に 1 回訪問。呼び鈴を鳴らすも反応なし。夫や息子と
令和 X 年
も会えず。
11 月 11 日~
・退院後の通院先クリニックに連絡。一度、受診があったとのこと。次回、予約
12 月 10 日
が入った段階で連絡をしてもらうよう依頼。
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