６-３

施設従事者虐待に関する重篤事例対応を行った自治体に対するヒアリング調査

（１）「閉鎖的な施設・事業所に対する介入が困難であった事例」
（加工済み事例）
自治体名、法人名及び事例の特定を避けるよう配慮しつつ、他自治体にとって障害者虐
待対応の参考になるポイント、留意点を示すために、事務局によって加工した事例を以下
に掲載する。
■被虐待者
x氏

被虐待者。男性 50 代。共同生活援助（日中サービス支援型）z1 を利用。強度行動
障害あり。

■関係自治体
A県

被虐待者 x 氏が利用する共同生活援助 z1 の指定、指導監査権限自治体

A県b市

被虐待者 x 氏の支給決定自治体

A県c市

共同生活援助 z1 の所在する自治体

■法人・事業所
共同生活援助 z1
職員 y 氏

被虐待者 x が利用する共同生活援助（日中サービス支援型）
定員 20 名のうち、強度行動障害「行動関連項目」10 点以上の者が 16 名
共同生活援助 z1 で勤務する生活支援員。勤務 3 年目。障害福祉分野での勤
務経験なし。

■事例の流れ
＜死亡事例発生＞
年月

令和 X 年
3 月 16 日

概要
・この日、被虐待者 x 氏は就寝時間を過ぎても、廊下を何往復もしたり、廊
下の壁や窓に頭をたたきつける等の行為を繰り返していた。
・職員 y 氏は x 氏の行為をやめさせようと、x 氏の両肩をつかんで壁に体を
強く押し付けたり、腹部を殴ったりしたところ、x 氏が倒れこんだ。職員
y 氏が支えて立ち上がらせ、自室に戻って寝かせた。
・翌朝、x 氏の意識がないことから救急搬送。その後、病院で死亡を確認（死
因と暴力の因果関係は不明）。
・x 氏の死亡から 2 日後（3/18）
、職員 y 氏が逮捕されたことが報道される。

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