・資料No1-1~1-5_第十八改正日本薬局方第一追補(案) (17 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000174942_00007.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 日本薬局方部会(令和4年度第1回 7/26)《厚生労働省》 |
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第十八改正日本薬局方第一追補
1
[θ]=
θ
10 × c × l
48
のところに同様の強度のモル円二色性又はモル楕円率を与える
49
とき,互いの同一性を確認することができる.
[θ]=モル楕円率(° ・cm2/dmol)
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2.2. 二次構造の解析
θ =装置により算出される楕円率の値(m°)
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ペプチドやタンパク質においては,特異的なスペクトルが遠
4
c =溶液中の光学活性物質の濃度(mol/L)
52
紫外部に現れる.約250 nm以下のスペクトルを測定すること
5
l =層長(cm)
53
により,ペプチドやタンパク質の二次構造を推定することがで
54
きる.さらに,近紫外部のスペクトルにより三次元構造につい
2
3
6
モル楕円率は以下の式によりモル円二色性と関連付けられる.
55
て推定することもできる.ただし,円偏光二色性測定では分子
7
4500
[θ]=2.303Δɛ
≈ 3300Δɛ
π
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全体の平均的な性質を観察していることに留意が必要である.
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αへリックス構造では,一般に208 nm,222 nmに負の極大,
58
191 〜 193 nmに正の極大が,βシート構造では216 〜 218
8
モル円二色性やモル楕円率は,しばしばペプチドやタンパク
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nmに負の極大,195 〜 200 nmに正の極大が,不規則構造で
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質,核酸の分析に用いられる.この場合,モル濃度(c)の算出
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は195 〜 200 nmに負の極大が現れる.円偏光二色性スペクト
10
には分子量を単量体当たりの残基数で除した平均残基分子量が
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ルから,二次構造の割合を解析する手法には,計算式を用いる
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用いられる.
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手法,データベースより求める手法がある.多変量解析により
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分子量
平均残基分子量=
アミノ酸残基数又はヌクレオチド残基数
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算出することもできる.いずれの手法を用いた場合も,算出に
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用いた方法を試験法に明記する.
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3. 装置性能の確認
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平均残基分子量は,ペプチドやタンパク質の場合は100 〜
66
14
120 (一般的には115),核酸の場合はナトリウム塩として約330
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の測定に適した品質を有する試料を用いて確認する.
15
である.
68
3.1. 円偏光二色性の正確さ
16
1. 装置
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∆ɛ
が既知である物質,例えばイソアンドロステロン,d−
波長校正された装置により,∆ɛ
が既知である円偏光二色性
17
円二色性分光光度計を用いる.光源には,キセノンランプが
70
カンファスルホン酸アンモニウムなどを用いて校正する(機器
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用いられる.光源からの光は,水晶プリズムを装備したダブル
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メーカーの推奨品を用いてもよい).イソアンドロステロンを
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モノクロメーターにより分光と同時に偏光され,単色直線偏光
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用いる場合は,イソアンドロステロン10.0 mgを正確に量り,
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となる.モノクロメーター出口のスリットで,異常光を排除す
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エタノール(99.5)に溶かし,正確に10 mLとする.層長10 mm
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る.単色直線偏光は,光弾性変調器を通過することにより,一
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のセルを用いて,調製した溶液の円偏光二色性スペクトルを
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定の周波数で左右円偏光に交互に変調され試料に照射される.
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280 nmから360 nmまで測定するとき,304 nmにおける∆ɛ
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検体試料を通過した光は,光電子増倍管に達したのち,二つ
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は+3.3である.
24
の電気信号に分けられ増幅される.一つは,直流信号VDCで,
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3.2. 変調の直線性
25
これは試料の光吸収を反映する.もう一つは,試料に円偏光二
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∆ɛ
が既知である物質,例えばd−カンファスルホン酸アン
26
色性がある場合に生じる光弾性変調器の変調周波数と同じ周波
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モニウムなどを用いて校正する(機器メーカーの推奨品を用い
27
数の交流信号VACである.交流信号の位相が円偏光二色性の符
80
てもよい).d−カンファスルホン酸アンモニウムを用いる場合
28
号(+あるいは−)を示し,振幅の大きさが円偏光二色性の強度
81
は,d−カンファスルホン酸アンモニウム6.0 mgを正確に量り,
29
を示す.ここで,VAC/VDCは,左右円偏光の吸光度の差∆A に
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水に溶かし,正確に10 mLとする.層長1 mmのセルを用いて,
30
比例する.通常,円二色性分光光度計で測定される波長範囲は,
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調製した溶液の円偏光二色性スペクトルを185 nmから340 nm
31
170 〜 800 nm程度であるが,より広い波長範囲を測定可能な
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まで測定するとき,290.5 nmにおける∆ɛ
は+2.2 〜 +2.5で
32
装置もある.
85
ある.192.5 nmにおける∆ɛ
は−4.3 〜 −5である.
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2. 測定法
34
温度,波長,層長,試料濃度を設定し,測定する.試料を適
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切な溶媒に溶解し,セルに入れ測定する.試料調製では,不純
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36
物のスペクトルへの影響,濃度による試料の構造変化,溶媒自
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に改める.
37
身の吸収,試料構造への溶媒の影響の有無を確認しておく.試
38
料セルの光路長,特に光路長が短い際には注意が必要である.
88
2.58
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さらに,試料による光の吸収は検出器へ届くシグナルの低下を
89
本試験法は,三薬局方での調和合意に基づき規定した試験法である.
40
招く可能性があるため,留意が必要である.
90
なお,三薬局方で調和されていない部分のうち,調和合意において,
41
2.1. 確認試験
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調和の対象とされた項中非調和となっている項の該当箇所は「
一般試験法の部 2.58 粉末 X 線回折測定法の条を次のよう
粉末X線回折測定法
◆
◆
」
42
モル円二色性又はモル楕円率が最大となる波長と共に,モル
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で,調和の対象とされた項以外に日本薬局方が独自に規定することとし
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円二色性又はモル楕円率を規定する.確認しようとする物質の
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た項は「
44
規定した最大波長におけるモル円二色性又はモル楕円率が,こ
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45
の規定に合致するとき,同一性を確認することができる.又は, 95
試料のスペクトルと確認しようとする物質の参照スペクトル又
96
は標準品のスペクトルを比較し,両者のスペクトルが同一波長
97
46
47
◇
◇
」で囲むことにより示す.
三薬局方の調和合意に関する情報については,独立行政法人医薬品医
療機器総合機構のウェブサイトに掲載している.
◇
粉末X線回折測定法は,粉末試料にX線を照射し,その物
質中の電子を強制振動させることにより生じる干渉性散乱X線
日本薬局方の医薬品の適否は,その医薬品各条の規定,通則,生薬総則,製剤総則及び一般試験法の規定によって判定する.(通則5参照 )