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・資料No1-1~1-5_第十八改正日本薬局方第一追補(案) (19 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000174942_00007.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 日本薬局方部会(令和4年度第1回 7/26)《厚生労働省》
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一般試験法 2.58 粉末X線回折測定法 17 .

第十八改正日本薬局方第一追補

1

相の同定,定量分析,格子パラメーターの測定など,分析目

44

2

的に応じて,装置の異なる配置や性能レベルが必要となる.粉

3

末回折パターンを測定するための最も簡単な装置は粉末カメラ

45

4

である.通例,写真フィルムにより検出するが,光子検出器が

5

組み込まれたブラッグ−ブレンターノ集中法光学系が開発され

6

ている.ブラッグ−ブレンターノ集中法光学系は現在広く使用

7

されているので,以下に簡潔に記載する.

8

装置の配置は,水平又は垂直な /2 の配置,若しくは垂直

9

な / の配置とすることができる.いずれの配置においても,

10

入射X線ビームは試料面と の角度をなし,回折X線ビームは

11

試料面とは の角度をなすが,入射X線ビームの方向とは2 の

12

角度をなす.基本配置の一例を図2.58−3に示す.X線管から

13

放射された発散ビーム(一次ビーム)はソーラースリットと発散

14

スリットを通過し,平らな試料面に入射する.試料中の適切に

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配向している微結晶により,2 の角度に回折された全てのX線

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は,受光スリットの一本の線に集束する.二組目のソーラース

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リットと散乱スリットは,受光スリットの前か後のいずれかに

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設置される.受光スリットは,通例,0次元検出器が用いられ

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るときにのみ利用される.X線管の線焦点軸と受光スリット軸

20

はゴニオメーター軸から等距離に設定される.X線は,通例,

21

シンチレーション計数管や密閉ガス比例計数管のような検出器

22

により求められるが,現在では位置敏感型半導体検出器やハイ

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ブリッド型光子計数検出器がより広く利用されている.受光ス

24

リットと検出器は組み合わされており,焦点円の接線方向に動

25

く. /2 走査では,ゴニオメーターは試料と検出器を同軸方

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向に回転させるが,試料は検出器の半分の回転速度で回転する.

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試料面は焦点円の接線方向と同一となる.ソーラースリットは

28

ビームの軸方向発散を制限し,回折線の形状に部分的に影響を

29

与える.

30

回折計は透過配置でも使用できる.この方法の利点は選択配

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向の影響を抑えられることである.約0.5 〜 2 mm径のキャピ

32

ラリーが微量試料の測定に使用される.

A:X線管
B:発散スリット
C:試料
D:反拡散スリット
E:受光スリット
F:モノクロメーター
G:検出器側受光スリット
H:検出器
J:回折計円
K:焦点円

2.2. X線放射

46

実験室では,X線は熱電子効果により放出された電子を高電

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圧による強い電場で加速し金属陽極に衝突させることによって

48

得られる.電子の多くの運動エネルギーは熱に変換されるため,

49

X線管の機能を保持させるためには,陽極の十分な冷却が必要

50

となる.回転対陰極や最適化されたX線光学系を用いると,20

51

〜 30倍の輝度が得られる.もう一つの方法として,X線フォ

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トンはシンクロトロンのような大規模施設においても発生され

53

る.

54

高電圧で作動しているX線管から発生するX線のスペクトル

55

は,多色放射(制動放射X線又は白色X線)の連続的なスペクト

56

ル(バックグラウンド)と陽極の種類によって決まる特性X線か

57

らなり,X線回折測定には,通例,特性X線のみが用いられる.

58

X線回折に用いられる主な放射線源には,銅,モリブデン,鉄,

59

コバルト,銀,クロムを陽極とする真空管が用いられる.有機

60

物のX線回折測定においては,通例,銅やモリブデンのX線が

61

用いられる.使用するX線の選定は,試料の吸収特性と試料中

62

に存在する原子由来の蛍光発光の可能性も考慮して行う.粉末

63

X線回折に使用するX線は,通例,陰極から発生する

64

る.したがって,発生したX線から

65

除去し,X線ビームを単色化しなければならない.単色化は,

66

通例,X線管より放出される

線及び

67

端を有する金属フィルターを

フィルターとして用いて行わ

68

れる.フィルターは,通例,単色X線管と試料の間に置かれる.

69

単色X線ビームを得るより一般的な方法としては,大きなモノ

70

クロメーター用結晶(通例,モノクロメーターと呼ばれる)を用

71

いることである.この結晶は試料の前又は後に設置され,

72

線及び

73

ことにより,一つの回折ピークのみを検出器に入射させる.特

74

殊なモノクロメーターの使用により,Κ

75

ることも可能である.ただし,フィルターやモノクロメーター

76

を用いて単色ビームを得る際,その強度及び効率は低下する.

77

Κ 線及びΚ 線を分離するもう一つの方法は,湾曲X線ミラー

78

を使用することであり,これによって単色化,焦点合わせ,平

79

行化を同時に行うことができる.

80

2.3. 放射線防護

線であ

線以外の全ての成分を
線の波長の間に吸収

線による特性X線ピークを異なる角度に回折させる
1線とΚ

2線を分離す

81

人体のいかなる部分へのX線の暴露も健康に有害である.し

82

たがって,X線を使用する際には,当該作業者及びその周辺に

83

いる人を保護するための適切な予防措置を講じることが必要で

84

ある.放射線防護についての必要な訓練やX線暴露水準の許容

85

限度は,労働安全衛生法で定められている.

86

3. 試料の調製と取付け

87

33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43

図2.58−3 ブラッグ−ブレンターノ集中法光学系の配置図






調






















88

データの質に重大な影響を与えるので,特に粉末X線回折測定

89

法では重要な操作となる3).ブラッグ−ブレンターノ集中法光

90


















調











91

主なエラーの要因を以下に示す.

92

3.1. 試料の調製

93

一般的には,多くの結晶粒子の形態は試料ホルダー中で試料

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に選択配向性を与える傾向がある.粉砕により微細な針状晶又

95

は板状晶が生成する場合には,この傾向は特に顕著となる.試

96

料中の選択配向は種々の反射強度に影響を与え,その結果,完

日本薬局方の医薬品の適否は,その医薬品各条の規定,通則,生薬総則,製剤総則及び一般試験法の規定によって判定する.(通則5参照 )