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パブリックコメント「令和6年度厚生労働科学研究」 別添(令和6年度厚生労働科学研究の概要) (67 ページ)

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出典情報 「令和6年度厚生労働科学研究」に対する御意見募集について(8/4)《厚生労働省》
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研究事業名

エイズ対策政策研究事業

1 研究事業の概要
(1)研究事業の目的・目標
【背景】
日本における新規 HIV 感染者及びエイズ患者の年間報告数の合計は、2016 年から 2021
年まで5年連続で減少している一方、検査を受けないままエイズを発症して報告される
割合は全体の約3割を占めている。また、2021 年の WHO のガイドラインでは、免疫状態
にかかわらず、早期に治療を開始することで自らの予後を改善するのみならず、他者へ
の感染をも防止できることが示されており、診断後に即治療を開始することが強く推奨
されている。これらの状況を鑑み、わが国では HIV 感染症の早期発見・早期治療に向け
たさらなる対策が求められている。
また、血液製剤により HIV に感染した者については、HIV 感染症に加え、血友病、C
型肝炎ウイルス(HCV)感染を合併する場合が多く、極めて複雑な病態への対応が必要で
ある。加えて抗 HIV 療法の進歩により、長期療養に伴う新たな課題(様々な合併症への
対応や、患者高齢化に伴う医療と介護の連携体制構築等)も生じている。
わが国におけるエイズ対策は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関す
る法律(感染症法)」(平成 10 年法律第 114 号)に基づき策定される「後天性免疫不全
症候群に関する特定感染症予防指針(エイズ予防指針)」
(平成 30 年1月 18 日告示)に
沿って展開されている。本研究事業では、エイズ予防指針に基づく対策を推進するため、
社会医学、疫学等の観点から、HIV 感染予防や継続可能な治療体制の確立、早期発見に
結びつく普及啓発など、エイズ対策を総合的に推進するための研究を実施する。
【事業目標】
エイズ予防指針に基づく対策を推進するため、これまでの事業や研究の現状を整理
し、効果等について検証するとともに、継続すべき対策や新たに実施すべき対策を立案
する。これらを踏まえて、わが国におけるエイズ対策を統合的に推進することによって、
新規 HIV 感染者数を減少させるとともに、検査を受けないままエイズを発症して報告さ
れる者の割合を減少させること、また、診断された HIV 感染者・エイズ患者に対して適
切な医療を提供できる体制を整備することを目標とする。
【研究のスコープ】
・施策の評価に関する課題:日本のエイズ対策はエイズ予防指針に沿って展開されてい
る。エイズ予防指針に基づき陽性者を取り巻く課題等に対する各種施策の効果等を経年
的に評価し、一貫したエイズ対策を推進する。
・発生の予防及びまん延の防止に関する課題:日本では検査を受けないままエイズを発
症し報告される割合が3割を占めており、新たな手法での予防啓発活動が必要である。
特に個別施策層である MSM に向けた予防啓発を行う。
・HIV 医療体制整備に関する課題:日本全国で質の高い HIV 診療を受けられるような医
療体制を構築するためには、医療従事者の育成、多職種連携の推進等の課題があるため、
課題解決に向けた研究を行う。
・疫学情報等に関する課題:HIV 感染症拡大防止のためには早期の診断及び治療が重要
であり、対策の立案と施策の評価のための指標として、ケアカスケードをはじめとした
様々な疫学指標の数値の把握が必要である。
・研究開発に関する課題:エイズ予防指針に沿って各研究班で様々な研究を行っている
が、研究内容の重複や間隙の発生防止、研究班間の情報交換のために、研究計画や研究
成果について発表し意見交換する場を設け、エイズ対策研究の方向性決定に資する提言
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