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パブリックコメント「令和6年度厚生労働科学研究」 別添(令和6年度厚生労働科学研究の概要) (88 ページ)
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出典情報 | 「令和6年度厚生労働科学研究」に対する御意見募集について(8/4)《厚生労働省》 |
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研究事業名
カネミ油症に関する研究事業
1 研究事業の概要
(1)研究事業の目的・目標
【背景】
昭和 43 年に、カネミ倉庫社製のライスオイル中に混入したポリ塩化ビフェニル(PCB)
や、ダイオキシン類の一種であるポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)等を原因として発生
した健康被害(食中毒)であるカネミ油症について、平成 24 年に成立した「カネミ油
症患者に関する施策の総合的な推進に関する法律」の基本理念として「カネミ油症に関
する専門的、学際的又は総合的な研究を推進することによりカネミ油症の診断、治療等
に係る技術の向上を図るとともに、その成果を普及し、活用し、及び発展させること」、
「国は、カネミ油症の診断基準の科学的知見に基づく見直し並びに診断、治療等に関す
る調査及び研究が促進され、及びその成果が活用されるよう必要な施策を講ずるものと
する。」とされており、これを踏まえた研究を実施することが求められている。
ダイオキシン類の慢性影響の大規模な検証(疫学調査)は世界的にも例がなく、2020
年以降に英文雑誌に報告した油症・芳香族炭化水素受容体(Aryl hydrocarbon Receptor)
(以下、
「AHR」という。)の関連論文 29 編の引用回数は 368 回にのぼる(Scopus(エル
ゼビアの抄録・引用文献データベース)による)。令和4年3月現在の Expertscape に
よるランキングでは世界第2位、日本第1位である。また、血液中のごく微量なダイオ
キシン類を精確かつ高い再現性の分析方法は、将来的にダイオキシン類の毒性を緩和す
る治療法につながる等、カネミ油症患者のみに限定されない、幅広い有益な知見が得ら
れることが期待できる。
【事業目標】
カネミ油症の診断、治療等にかかる技術の向上を図るとともに、その成果を普及し、
活用し、発展させる。
【研究のスコープ】
・ カネミ油症患者の健康実態調査や検診結果を集積した患者データベースの構築等の
疫学研究
・ 本研究の成果である、AHR を介したダイオキシン類曝露による健康影響のメカニズ
ムの解明結果を活用した、カネミ油症患者の臨床症状の緩和のための漢方薬等を用い
た臨床研究
・ 世界的にも稀な PCB や PCDF の摂食による健康被害の長期的影響や継世代影響の実
証型研究
【期待されるアウトプット】
ダイオキシン類による炎症による酸化ストレスを軽減する薬剤について研究を行い、
最終的にカネミ油症患者に対する治療薬として活用するための基盤整備を行う。3年以
内に3件以上の候補化合物を同定する(現在のところ、メトホルミンと黄連解毒湯が候
補化合物として同定されている)。
【期待されるアウトカム】
カネミ油症の診断基準のさらなる精緻化、新たな治療法・対処法等の発見と普及促進
を図ることにより、カネミ油症患者への支援が充実し、QOL の改善が期待できる。また、
ヒトに対するダイオキシン類汚染への対処法を幅広く普及できる。さらに、ダイオキシ
ン類のみならず様々な要因によって生じる酸化ストレス自体を軽減する手法を確立し、
幅広い疾患に対する治療法の確立に貢献する。
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カネミ油症に関する研究事業
1 研究事業の概要
(1)研究事業の目的・目標
【背景】
昭和 43 年に、カネミ倉庫社製のライスオイル中に混入したポリ塩化ビフェニル(PCB)
や、ダイオキシン類の一種であるポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)等を原因として発生
した健康被害(食中毒)であるカネミ油症について、平成 24 年に成立した「カネミ油
症患者に関する施策の総合的な推進に関する法律」の基本理念として「カネミ油症に関
する専門的、学際的又は総合的な研究を推進することによりカネミ油症の診断、治療等
に係る技術の向上を図るとともに、その成果を普及し、活用し、及び発展させること」、
「国は、カネミ油症の診断基準の科学的知見に基づく見直し並びに診断、治療等に関す
る調査及び研究が促進され、及びその成果が活用されるよう必要な施策を講ずるものと
する。」とされており、これを踏まえた研究を実施することが求められている。
ダイオキシン類の慢性影響の大規模な検証(疫学調査)は世界的にも例がなく、2020
年以降に英文雑誌に報告した油症・芳香族炭化水素受容体(Aryl hydrocarbon Receptor)
(以下、
「AHR」という。)の関連論文 29 編の引用回数は 368 回にのぼる(Scopus(エル
ゼビアの抄録・引用文献データベース)による)。令和4年3月現在の Expertscape に
よるランキングでは世界第2位、日本第1位である。また、血液中のごく微量なダイオ
キシン類を精確かつ高い再現性の分析方法は、将来的にダイオキシン類の毒性を緩和す
る治療法につながる等、カネミ油症患者のみに限定されない、幅広い有益な知見が得ら
れることが期待できる。
【事業目標】
カネミ油症の診断、治療等にかかる技術の向上を図るとともに、その成果を普及し、
活用し、発展させる。
【研究のスコープ】
・ カネミ油症患者の健康実態調査や検診結果を集積した患者データベースの構築等の
疫学研究
・ 本研究の成果である、AHR を介したダイオキシン類曝露による健康影響のメカニズ
ムの解明結果を活用した、カネミ油症患者の臨床症状の緩和のための漢方薬等を用い
た臨床研究
・ 世界的にも稀な PCB や PCDF の摂食による健康被害の長期的影響や継世代影響の実
証型研究
【期待されるアウトプット】
ダイオキシン類による炎症による酸化ストレスを軽減する薬剤について研究を行い、
最終的にカネミ油症患者に対する治療薬として活用するための基盤整備を行う。3年以
内に3件以上の候補化合物を同定する(現在のところ、メトホルミンと黄連解毒湯が候
補化合物として同定されている)。
【期待されるアウトカム】
カネミ油症の診断基準のさらなる精緻化、新たな治療法・対処法等の発見と普及促進
を図ることにより、カネミ油症患者への支援が充実し、QOL の改善が期待できる。また、
ヒトに対するダイオキシン類汚染への対処法を幅広く普及できる。さらに、ダイオキシ
ン類のみならず様々な要因によって生じる酸化ストレス自体を軽減する手法を確立し、
幅広い疾患に対する治療法の確立に貢献する。
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