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資料1-2 指定難病に係る新規の疾病追加について情報提供のあった疾病(個票(第54回指定難病検討委員会において検討する疾病)) (10 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37543.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第54回 1/31)《厚生労働省》
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COL4A1/COL4A2 関連脳小血管病
○ 概要
1.概要
COL4A1/ COL4A2 関連脳小血管病は、本疾患の原因遺伝子である COL4A1 もしくは COL4A2 遺伝子の
変異をもつ常染色体優性遺伝形式の脳小血管病である。様々な程度の孔脳症、眼症状、腎症状、心症状、
筋症状など全身所見を伴うことが特徴的である。発症年齢、症候、画像所見など表現型は極めて多様と考え
られ、同一家系内でも表現型が大きく異なる場合がある。
2.原因

COL4A1 もしくは COL4A2 遺伝子の異常により起こる。COL4A1 と COL4A2 遺伝子はⅣ型プロコラーゲンα
1鎖とα2 鎖をそれぞれコードしている。Ⅳ型コラーゲンはシートを形成する膜型コラーゲンであり基底膜の主
要な構成成分である。Ⅳ型コラーゲンα1鎖とα2 鎖は 2:1 でヘテロ3量体を形成する。特に triple helix domain
(Gly-X-Y)の繰り返しは3重らせん構造に重要な部位であるが、このグリシン(Gly)が他のアミノ酸に置換され
る病的変異が多く報告されている。その他にも各種の変異型が報告されている。本症は de novo 変異が多い
ため、家族歴がない場合にも注意が必要である。異常なヘテロ3量体が細胞内に蓄積すること、正常なヘテロ
3量体が細胞外で減少することなどが病態として想定されている。表現型の多様性から、 COL4A1 もしくは

COL4A2 遺伝子の異常以外の発症要因が存在すると考えられている。
3.症状
脳小血管病変による脳出血や脳梗塞、白質脳症、脳動脈瘤、孔脳症、片頭痛、けいれん、認知症、精神症
状、運動障害など多様な神経症候が報告されている。神経以外の症候として、眼症候(白内障、網膜血管の
蛇行、Axenfeld-Rieger 症候群)、腎症候(腎嚢胞、血尿、腎不全)、筋症候(筋クランプ、高 CK 血症)、不整脈、
溶血性貧血を伴う場合がある。なお、長期間無症候である症例も報告されており留意が必要である。
4.治療法
根治的治療はなく、対症療法が主体である。高血圧の管理、禁煙を行い、頭部外傷や抗凝固療法を避け、
脳出血のリスクを軽減する。
5.予後
個々の症例により多様である。
○ 要件の判定に必要な事項
1.患者数
100 人未満
2.発病の機構
詳細不明(Ⅳ型コラーゲンα1 鎖/α2 鎖の蓄積や減少が想定されている)
3.効果的な治療方法
確立された治療法はない。
4.長期の療養
必要(進行性である。)
5.診断基準

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