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資料1-2 指定難病に係る新規の疾病追加について情報提供のあった疾病(個票(第54回指定難病検討委員会において検討する疾病)) (83 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37543.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第54回 1/31)《厚生労働省》
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完全型房室中隔欠損症(完全型心内膜床欠損症)
○ 概要
1.概要
胎生期の心内膜床形成癒合不全により心房中隔一次孔欠損と心室中隔欠損を伴い、共通房室弁口を形成す
る。共通前尖の形態により、A, B, C の 3 型に分類され(Rastelli 分類)、A 型では共通前尖が右室側に入らず、腱
索は心室中隔や円錐部乳頭筋に結合、B 型は腱索が右室心尖部の乳頭筋と結合、C 型は共通前尖の腱索は
心室中隔と結合せず、右室乳頭筋に結合する(free-floating)。基本病態は心房位と心室位における左右短絡と
房室弁の形態異常に基づく種々の程度の房室弁閉鎖不全であり、心室中隔欠損が大きな場合には肺高血圧を
合併する。乳児期から重篤な心不全症状を呈し、多汗、多呼吸、哺乳不良、体重増加不良等を認める。乳児期
早期に two-patch 法または one-patch 法による心内修復術を行う。
2.原因
ダウン症候群の 40-45%では先天性心疾患を合併するがそのうち 45%は房室中隔欠損である。一方、房室中隔
欠損の 50%はダウン症候群である。内臓心房錯位症候群にも高率に合併する。
3.症状
乳児期から重篤な心不全症状を呈し、多汗、多呼吸、哺乳不良、体重増加不良等を認める。気道感染は重症化
しやすく、生命予後を左右することがある。 多量の左右短絡によって重度の肺高血圧を呈し、生後6ヵ月ごろか
ら肺血管閉塞性病変が進行する。肺血管閉塞性病変、左側房室弁閉鎖不全、合併先天性心疾患の有無などが
予後を左右する。
心内修復術後は生涯にわたる定期的な経過観察を行う。特に遺残短絡、房室弁閉鎖不全、房室弁狭窄、心不
全、肺高血圧、左室流出路狭窄には留意が必要である。不整脈、特に房室伝導遅延は年齢とともに頻度が高く
なる、心電図とホルター心電図による房室伝導の定期的な評価が必要である.
4.治療法
心不全に対しては、利尿薬、血管拡張薬の投与を行い、内科的にコントロールする。
内科的コントロールで改善が見られない症例では、心臓外科治療により修復する。乳児期早期に two-patch 法
または one-patch 法による心内修復術を行う。 左室低形成、重複弁口、共通房室弁の左側成分が低形成など
の例では乳児期早期に肺動脈絞扼術を行った後に心内修復術を行うこともある。
術後遠隔期に再手術を要する主な病態は、左側房室弁閉鎖不全、遺残短絡、左室流出路狭窄である。また、
左側房室弁狭窄、右側房室弁逆流及び狭窄、洞機能不全や房室ブロックによる徐脈が手術適応になることもあ
る。初回手術後に再手術を必要とするのは 15%前後、再手術を複数回必要とする症例も少なくない。
5.予後
乳児期早期に心内修復術を行えば一般に予後は良好であるが、房室弁機能異常(閉鎖不全と狭窄)が予後を
左右することがある。術後遠隔期に僧帽弁閉鎖不全が悪化して、人工弁置換術が必要になることがある。心内

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