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資料1-2 指定難病に係る新規の疾病追加について情報提供のあった疾病(個票(第54回指定難病検討委員会において検討する疾病)) (114 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37543.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第54回 1/31)《厚生労働省》
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格筋、心筋への過度の負荷を避けることを原則とする。食事療法では、必須脂肪酸強化 MCT フォーミュラ
ーや MCT オイルの使用、長鎖脂肪酸の制限が推奨されている。薬物治療としては L-カルニチン投与、ベ
ザフィブラート投与などが行われることがあるが、それらの効果は限定的である。その他は対症的な治療に
とどまり根本的な治療はない。特に筋症状や心筋症状については治療にも関わらずコントロールが困難で
あることも多い。
5.予後
新生児期発症型はしばしば救命が困難である。乳幼児期に低血糖や Reye 様症候群として発症する場合、
迅速かつ適切な治療が行われない場合は生命予後・神経学的予後ともに不良である。乳幼児発症型の症
例が次第に筋型の表現型を呈することはしばしば経験される。近年、成人診断例の報告が散見され、成人
期においても運動や飢餓を契機に横紋筋融解症やミオパチー、筋痛発作、心筋症などを来すことが報告さ
れている。治療中であっても骨格筋や心筋への負荷を避けるために、立ち仕事や肉体労働が出来ず、就
労が困難な症例もしばしば経験される。治療を継続しない場合、成人期においても心筋症などの心筋障害
を来すことも報告されている。飲酒、妊娠、外科手術なども代謝不全の誘因となりえる事が知られており、
生涯にわたる経過観察および治療が必要である。
○ 要件の判定に必要な事項
1.患者数
1,340 人
新生児マススクリーニングの成果からは 9.3 万出生に一人との報告あり。新生児発症型はわが国では稀で
あるので、乳幼児期発症型、遅発型がほとんどであると仮定して計算した。
このうち、成人期で中等度以上の重症度となる患者は少なく見積もって 60%程度と推定される。
2.発病の機構
病態の解明が不十分である。ACADVL 遺伝子の先天的異常が原因であるが、遺伝子型に対応する臨床像
についても不明な点が多い。また、成人期において特に問題となる、筋症状の発病メカニズムは未解明で
ある。
3.効果的な治療方法
未確立。(中鎖脂肪酸(MCT)の積極的摂取ならびに長鎖脂肪酸の摂取制限といった食事療法、ならびに運
動制限などで、ある程度の病状コントロールは出来ることが多いが、根本的な治療ではなく、症候のコント
ロールが困難な例が多い。近年、海外において奇数鎖中鎖脂肪酸(Triheptanoin)による有効性が示された
が、これも症候の軽減に留まっている。
4.長期の療養
必要(潜在的な低血糖、心筋症や横紋筋融解などのリスクが常にある。これらは治療中であっても感冒や
長時間の飢餓、運動などで発作が誘発される。また、治療を行っていても筋痛や筋力低下等により生活の
制限が生じる場合も少なくないことから、生涯にわたる治療を要する。
5.診断基準
あり(研究班が作成し、日本先天代謝異常学会が承認した診断基準)
6.重症度分類
日本先天代謝異常学会による先天代謝異常症の重症度評価を用いて、中等度以上を対象とする。

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