資料1-2 指定難病に係る新規の疾病追加について情報提供のあった疾病(個票(第54回指定難病検討委員会において検討する疾病)) (100 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37543.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第54回 1/31)《厚生労働省》 |
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○ 概要
1.概要
母指や橈骨の異常を主体とする上肢の形成異常と、心臓の異常(心房中隔欠損や心室中隔欠損などの先
天性心疾患もしくは洞徐脈や房室ブロックなどの刺激伝導系の異常)を伴う症候群。Heart-Hand 症候群(心
臓-手症候群)I 型とも呼ばれる。
2.原因
T-box 型転写調節因子である TBX5 をコードする遺伝子 TBX5(染色体 12q24)の異常が約 70%の患者に見
出される。
3.症状
(1)上肢の先天性異常(左側に多いが、右側や両側のことがある。)
母指の異常(欠損・低形成性・二分母指・三指節母指)、母指以外の異常(欠指・短指・弯指・多指な
ど)、橈骨の異常(欠損・低形成)、尺骨の異常(欠損・低形成)、橈尺骨癒合、上腕骨の異常(欠損・低
形成)、鎖骨・肩甲骨・肩関節の異常および肩関節運動制限などが見られる。そのほか、頭蓋顔面の異
常、胸郭の異常(漏斗胸・鳩胸)、椎骨の異常(脊柱側弯)などが見られる。
(2)心臓の先天性異常
先天性心疾患(心房中隔欠損・心室中隔欠損(筋性部欠損が多い)・房室中隔欠損など)、不整脈(洞性
徐脈、心房不整脈、房室ブロックなど)
4.治療法
(1)手の異常
整形外科的な再建手術、理学療法
(2)胸郭や脊柱の異常
装具による矯正、外科手術
(3)心臓の異常
心臓外科手術、カテーテル治療、ペースメーカー装着など
5.予後
先天性心臓疾患が予後を左右する。多くの症例の心臓異常は心房中隔欠損、心室中隔欠損などの単純性
欠損のために、外科(もしくはカテーテル)治療後の生命予後は一般的に良好である。一部の症例では左心
低形成などの複雑先天性心疾患を合併することがあり、生活の質や生命予後に影響する。
上肢の障害が重度であると、治療後も生涯に渡り機能不全をきたし、日常生活に支障が生じる。
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