資料1-2 指定難病に係る新規の疾病追加について情報提供のあった疾病(個票(第54回指定難病検討委員会において検討する疾病)) (3 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37543.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第54回 1/31)《厚生労働省》 |
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○ 概要
1.概要
LMNB1 関連大脳白質脳症は、中枢神経系の大脳白質を病変の主座とする神経変性疾患である。本症は
Autosomal Dominant Adult-Onset Demyelinating Leukodystrophy (ADLD)とも呼ばれることがある。常染色体
顕性(優性)遺伝形式をとるが、孤発例も存在する。1984 年にアイルランド系アメリカ人の家系が最初に報告
されたが、世界各地において発症を認める。LMNB1 関連大脳白質脳症は、遺伝学的検査による診断が可能
となる以前は本症の確定診断が困難であったが、原因遺伝子が同定されて以降、確定診断例が蓄積してい
る。
2.原因
LMNB1 関連大脳白質脳症の原因として LMNB1 重複変異あるいは LMNB1 のエンハンサー領域の欠失が
同定されている。いずれの場合も中枢神経系の LMNB1 発現量は増加しており、LMNB1 タンパクの産生増加
が疾患の原因と考えられている。
3.症状
常染色体顕性(優性)遺伝性疾患である。発症年齢は平均 47.5 歳(35~61 歳に分布)、40 歳・50 歳代に発
症が多い。発達に異常はなく、発症前の社会生活は通常正常である。死亡時年齢は 58.7 歳(45~75 歳に分
布)である。初発症状は自律神経障害や錐体路徴候が多いが、認知機能障害で発症する例もある。主症状
は自律神経障害、錐体路徴候、失調、認知機能障害である。発熱や感染症の合併などにより一過性に症状
増悪を来すことがある。
4.治療法
原因が不明であるため根本的な治療法はない。症状に応じた対症療法が行われる。
5.予後
緩徐進行性の経過である。発症から死亡までの年数は平均 12 年(1~20 年に分布)である。
○ 要件の判定に必要な事項
1.患者数
100 人未満
2.発病の機構
不明(LMNB1 発現量の増加による機序が想定される)
3.効果的な治療方法
未確立(対症療法のみ)
4.長期の療養
必要(進行性である。)
5.診断基準
あり(研究班作成の診断基準)
6.重症度分類
機能的評価 Barthel index:85 点以下を対象とする
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